素敵な誕生日…な、筈が-1
「きれいー。」
「ほんと。」
夜空に浮かぶ無数の星、それは一個一個数えても見失うくらいの大量の数だ。
「くしゅんっ!」
「!!」
けど今の時刻は夜、昼ならば気温もそんなに肌寒くはないけど。
全身に肩から暖を感じる、私は一瞬で彼が優しくしてくれた事に気づく。
「折角のムードが台無しね、くしゃみ何かして。」
「ううん、ゴメンねこんな時間に君を誘って。」
「仕方ないよ、今じゃないと無理だもの、向こうはこの時間帯でないと現れないから。」
はぁー彼氏と星を眺める、本当に良い気分。
「でも風馬君ってそんなに星好きだったっけ?」
「まぁーテレビで観るくらいかな、態々本を買ったり、バスで行く程では。」
「なるほど、でもそれならどうして今日は?」
バスで行く程ではないって言って置きながら今日は、いや今夜は…、昼休みにも図書館やパソコンで色々調べてたみたいだけど。
「確かに一人で行くならここまでは絶対しないよ、でも今は違うでしょ。」
「と、言うと?」
私は時にとても鈍感なのだ、すると彼は一瞬口を開け少々困惑するも、私の肩を掴み自分の方へグイッと寄せ。
「君が居るからだよ。」
「あ……。」
「子供の頃から星には興味はあったけど、中々深く調べたりするまでには至らなかった、
でも夜空の星はやっぱりとても綺麗だし、その魅力を君にも見せてあげたい、自分が大好きな女の子に自分が好きなものを紹介し共有出来る、君からオッケーの返事をもらってからそれからはもう…。」
だからあんなに熱心に、子供のように心躍らせて、日中ずっとニコニコして、私と星を見るのがそんなに嬉しいんだ、彼はその日はずっと待ち遠しいかったかも知れないけど、ワクワク感で一杯だったんだ。
良かった、彼がそんな風に楽しんでくれて、私は日中のあの嬉しそうなあの顔を思い浮かべる。
「君のお陰で星の魅力をより知る事が出来たよ、ありがとう。」
「そんなそんな、楽しい?」
「うんっ!良い一日になったよ!」
と、まんべんの笑みを浮かべる。