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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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素敵な誕生日…な、筈が-2

「はいココア!」
「ありがとう。」

近くにあった自販機から温かいミルクティーとココアを買い、彼に手渡し早速開けて飲む彼、星を見上げ「はぁーー」と白い吐息を出し、一息する。

「風馬君こそ寒くない?私が君のジャンパー奪っちゃったから。」
「奪ったって、僕が勝手に、君に寒い思いして風邪何かひいて欲しくないから。」

一言一言がいちいち優しい、それが彼の魅力、今日は何回キュンとくるのかしら?

「っ!?」
「ふふ…。」

風馬君のジャンパーを返すのも何処かスマートじゃないし、私は自分自身が彼の暖となる為彼を後ろからぎゅと抱きしめる。

「若葉ちゃん?」
「どう?温かいでしょ!」

案の定顔を赤くし、目を点にする、はぁー可愛いな。

「でも、それじゃー物足りないなぁ。」

と言い、今度は私を抱きしめ返す、背中に地面にくっつけ。

「誰も居ない夜って、何か興奮しちゃうな。」
「んもぅ、星はどうしたのー?♪」

お互い本来の目的を忘れ、また欲情スイッチが入ってしまった。

「ねぇ、若葉ちゃん。」
「なーに?」
「僕、君に出会えて本当に良かった、…君と付き合ってから僕の人生幸せ一杯だよ。」
「良かった、ほんと人生って分かんないものよね。」

今夜の私は少し積極的、彼を押し倒しキスを迫り、彼もそれに気づき、唇を重ねるその瞬間を待ち、瞳を閉じる、しかし。

横槍を突然投げつけられるかの如く着信音が鳴り響く、んもぅ!

「あ僕だ、ちょっと出ていい?」
「……どうぞ。」

急に冷めたな、電源くらい切って欲しいわ、って思うのは強引か?どーせならただの悪戯電話であって欲しい、それならすぐに切って、私にだけ構ってくれて、けど彼の電話の相手は…。

「あ、お母さん?うん、分かってるよ。」

風馬君のお母さんか、そういや子供の頃以来一度も会ってないな、って今はそんな事はどうでもいい、そんな事よりも早く。

「うん、もうすぐで帰るから…え?してないしてない、んーじゃあ切るよ。」
「やっと終わったね。」
「若葉ちゃん、今日はこれで御開きとしよう。」
「えっ?」

そんな、これからが本番だっていうのに…。

彼は立ち上がり、私も立ち上がる、引き止めたいけど確かにもう9時を回ってる、お爺ちゃん達に今夜の事は言ったけど流石に遅すぎると心配しちゃうし。


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