第三章 制裁されたハーフモデル-23
「っ、なるかっ、……こんな変態オンナなんかにされてっ……」
「――変態?」
這い出た汐里は怒りの形相に変わっていた。「おいっ、ババアッ! 代われっ」
涼子の頭を雑に押して身体を入れ替える。
「……は? なに調子乗ってんの? モデルっつってもまだ事務所入ったばっかのくせに。そんで、女にザーメンだらけの体舐められて、乳首硬くしてるクソビッチのくせによっ!」
汐里はいつも保彦にビッチ、ビッチと呼ばれていた。だからこそ強い虐意が湧くのだろう。いかに真璃沙を自分より格下に貶めようと、金髪を鷲掴みにして自分の方を向かせ、乳首に向かって指を突き立てた。汐里ならではの鋭い爪先が乳首を引っ掻く。
「ふふぁっ! やはっ!」
「ほーら、乳首イジられて変な声で出てんじゃん。言えよっ、わたしは変態エロモデルですってよっ!」
「や、やめてっ。か、体に傷、ついちゃう、……ついちゃうからっ!」
「なに? モデルって乳首見せる仕事なの? AVにでも出んの? ……ほらババアッ、このモデル気取りのバカのマンコ、いまどうなってんのっ?」
汐里は親指と人差し指の爪だけで乳首を摘むと、伸び切るまでに引っ張り上げた。真璃沙が高い悲鳴を漏らす。
「んあぁ……すごい、ひくひくしてるわ……」
「ほらっ、あんただって変態じゃん。変態の上にバカだしさ。普通さぁ、こんな車乗る? ていうか、こんな服着て電車乗る? なんで痴漢にされちゃうんだろぉ、って、あったま悪すぎっ、あはっ」
許可なく暴走する汐里だったが、真璃沙への攻めは実に的を射ていたから泳がせた。
涼子は、交わる男女の接合部へ舌を這わせるなどという、とても息子には見せられない行為に背徳の愉楽を見つけたようだ。汐里に比べて丁寧に舐めるものだから、より内壁の淫らな蠕動を促してくれている。
保彦は真璃沙の股関節を注意深く見守った。
筋肉が弛緩して鼠径の窪みが浅くなった瞬間を狙い、――ここまで一度も送り込んでこなかった強い打突を真璃沙に見舞わせた。
狭い道を亀頭が突き進む時、抉られた襞壁が残波を立てて幹を搾ってくる。白濁が泡立つほどに深い鰓に雑ぜ返されているのが、首回りを擽られる感覚で分かった。
「ふぁっ……!!」
いよいよ声が舌足らずに甘みを帯びている。淫洞に籠る熱が、既に真璃沙の体の奥から蜜が漏れていることを暴いていた。「いや……やだっ! やめてっ!」
声音と発言が一致しないのは、もう近くまでやって来ている絶頂に身を委ねることは、モデルを志望するだけのルックスを持つ女として、醜悪で卑劣な土橋への敗北を意味するからだ。
「真璃沙ちゃん、かなりオマンコがエッチになってきたよぉ? ほぉら、もっと激しくしてあげるね」
保彦は律動を本格的に開始した。徐々に幅とスピードを上げていく。
真璃沙は激しくかぶりを振って崩落を免れようとするも、剛直した先端で突貫する度、口を閉めていられず色っぽい喘鳴を放った。
腰が打ち付けられて真璃沙の体が激しく揺さぶられる。
舌で捕らえることができず、攻めをやめた汐里と涼子は身を起こして堕ちゆく真璃沙を見守っていた。つまり、もう女の舌は触れていない。
真璃沙は三人の目線に見下ろされ、純然と、一本の肉幹のみで玩弄されていた。
「んくぁっ! いやだっ……!」
「やだ、この子、イクみたい。マジでぇ?」
汐里が涼子の意見を求めるでもなく、意地の悪い口ぶりで真璃沙を嘲った。
「犯されてイクのよね? 撮りながら見ていてあげる……。あなたの不様なアクメ顔」
涼子は絶頂の兆を察知してスマホのカメラを向けた。
「いやだ……こ、こんなので、イ……イ……」
真璃沙が言い切る前に連続打突を送り込む。蜜壺がブチュブチュと、人間の体が立てるとは思えない悲叫を上げる。「イ……イカないっ! やだっ、イカないっってばっ……! み、見るなっ! うああっ……!!」
最後は妄り声となった真璃沙が引き攣った。拘束されて不自由な身体をいっぱいに持ち上げたかと思うと、ビクン、ビクンと緊張と弛緩をランダムに繰り返す。
「おおっ、すごいイキっぷりだね、真璃沙ちゃん」
律動を緩めつつも決して止めずに、到達直後の肉襞を傘の縁で弾くことで絶頂感を持続させてやる。
「ひっどいイキ方。ほんと、エロバカモデル」
土橋の男茎による絶頂の凄まじさを知っている汐里は、その直後は少しでも肌に何かが触れたら、身が爆発してしまいそうなほど鋭敏になっていると知っている。緊突した乳首を爪先でピンッ、ピンッと弾き、その度に思わずバストを突き上げてしまう真璃沙を楽しみつつ、侮蔑の言葉を浴びせた。
「すごくイヤラしいイキ方だったわ……。ほら、ココ、たまらないでしょう?」
そんな汐里を見た涼子も、己の体で味わった至福を思い出したようで、下腹に手を差し入れると、乳首同様に研ぎ澄まされたクリトリスを指腹で撫でる。