第二章 報復されたシングルマザー-7
社内でも知らない人はいないくらい有名な女のなのだろう。汐里の態度から見て、かなりの上位者であるようだ。
「くっ……」
様子がおかしい土橋を訝しむ汐里の隣で、保彦は拳を握り、常に嘲笑を浮かべていた涼子を思い出した。涼子という名前は、あの冷たく気取った高慢な女に合っているが、名を反芻すればするほど、保彦の中に憤怒が湧き上がってくる。
突然汐里の肩を押し、出てきたばかりの会議室へと無理矢理歩かせた。
「えっ、なに……?」
よろめいて驚く汐里をもう一度突き飛ばす。
「やっぱりオマンコ、ヤラせろっ」
廊下を去っていった後ろ姿。ストッキングに包まれた脚を踏み出す度に高い位置で揺れていた、白いスカートをみっちりと丸ませたヒップ。思い出すとズボンの中で男茎が限界まで張りつめ、暴虐の欲にビクビクと何度も脈動していた。この股間の状態では到底帰れそうにない。
「早くしろっ」
「やっ、ちょ、し、静かにしてっ……」
汐里は廊下で声を荒げる土橋を宥めるように言って、とにかく声が立たない場所へ逃げ込もうと、言われる通り会議室のドアノブに手をかけた。だが保彦は、その背中に体をぶつけるように抱きつき、スカートを捲り上げ、パンストを足の付け根まで引き下ろす。まだ廊下なのに片手で取り出した男茎の亀頭の縁でショーツの端を引っ掛けてサイドに避けると、先端を剥き出した秘割へ押し付けていった。
「あ、ま、待ってっ。まだっ」
ヌチュリ。涼子に対して漏らした先走りの汁だけではない。汐里の秘所はフェラチオの時に漏らした蜜でまだ充分ヌメっていた。ドアを押し開ける汐里の中に、ヌブリと巨大な亀頭を埋める。
「んはぁっ……!」
挿れられるや汐里は鼻声で溜息を漏らした。ズブズブと奥へ進めつつ前に歩かせて、ドアが閉まった瞬間、会議卓に手を付かせた。財布もタブレットも放り出した汐里は、実はこうされるのを待っていたのだろう、背を反らしてヒップを向けてくる。
保彦は腰をしっかりと持って、汐里の体がどうなろうが知ったことではない強さで思い切り打突した。
「うぁんっ!」
先端が最奥をドンッと突いた瞬間、入口に搾り上げられ、襞面が蠢いて保彦を包み込んできた。
「即イキか、このビッチOLが」
保彦は後ろから汐里に覆い被さって耳元で貶めた。
いかに括れて美しい汐里のウエストラインとはいえ、そこを触っているだけでは満足できなくなった。体にフィットしているブラウスの上からバストを思うがままに揉みしだく。絶頂直後で体じゅうが敏感になっている汐里は、バストを荒々しく捏ねられて、身をくねらせながら淫路の行き止まりに密着した先端に向かって熱い蜜を噴きかけてきた。
「……汐里っ、お前は俺の奴隷だろ? そうだなっ」
言ってから耳穴に舌をねじ込んだ。
「あ、……わ、わたし……」
「そうだなっ!」
蜜まみれの襞道を傘で抉って腰を引き、もう一度体の底へ強烈な打突を見舞わせると、
「はうっ……、そ、そう、そう……!」
汐里は髪を揺すって何度も頷く。
「じゃ、俺の言うことは絶対服従だ。何でもしろ。わかったなっ」
男茎を抽送し、女らしい細身へ背骨に響くほどの衝撃を送り込みながら、保彦はバストを揉み回し続けていた。
(くそっ)
ライブチャットの録画のとおり、汐里のバストも並の女に比べたら、ずっと量感も形状も素晴らしい。しかし赤いテーラードジャケットを左右に弛ませ、ブラウスの上品なフリルでは隠せない色香を放っていた魅惑の膨らみを仮託はできなかった。
涼子の胸乳を揉み回してやったら……、いや、あの色っぽい美脚もヒップも土橋のような醜い男に玩弄されたら、気位の高いあの女は一体どんな顔をして、どんな反応を見せるだろう。
「イ、イクぞっ」
想像するや否や、射精中枢が刺激された。陰嚢が絞られ、根元から沸騰するように劣情がせり上がってくる。
「やっ、か、会社で中はぁっ……」
この射精の照準を自分の胎内に向けられた時、あの女は……。汐里を無視し、涼子を思いながら堰を切る。
まだこれから職場に戻らなければならない汐里のことなどどうでもいい。肉襞の隅々まで粘液で満たされた感覚に、ウットリとテーブルに突っ伏した汐里の姿を見下ろしていても、保彦の頭からは涼子が離れなかった。
鍵を開けてマンションの扉を開くと、スニーカーが一足置かれているのが目に入って涼子は顔を曇らせた。奥へと帰宅を告げる前から、タタタと軽い足音が駆けつけてくる。
「おかえりっ、ママ!」
五歳になる俊介が喜びを全開にして飛びついてきた。
「俊くん、ただいま!」
身を屈めれば、俊介は首に巻きついてきて頬に何回もキスをしてくれた。この瞬間を迎えると、どれだけ仕事に疲れていても忽ち癒される。涼子は会社では全く見せない綻んだ顔で頬を差し出して息子のキスに応えた。