第二章 報復されたシングルマザー-20
「そう言っても、何ですかね? このイヤラしいお汁は」
土橋は指で花唇とクロッチの間の糸を切ると、そのままヌルリと花弁を撫でて、溢れ出ていた蜜を掬い取り、「ほら、すごいじゃないですか、マン汁」
目の前で親指と人差し指をくっつけては離し、指腹の間に蜜の糸を引かせる。濡らしているのは疾に分かっていたが、実際に見咎められ、証拠を突きつけられると、涼子は煩悶に身をくねらせて悔しげに呻いた。
「どうやら、レイプにならないですね、これじゃ。さあ汐里、撮ってくれ。宮本涼子マネージャーのグチョ濡れマンコ」
「うん……。大丈夫、バッチリ映ってる」
汐里は土橋の指から、涼子の脚の間までスマホのカメラで舐めるように撮影をして、「マネージャー、普段あんなに厳しいのに、エッチはこうやってイジメられるのが大好きだったんだ」
二人の前で、特に部下の前で淫らな反応を知られてしまった涼子は、
「そ、そんなわけないでしょっ! こ、こんなことして、あなたたち、最低だわっ!」
気力を振り絞って土橋も汐里も睨み付けて罵倒した。体の奥から起こった疼きが全身に巡り始めている。だが、それを彼らの前で認めるということは、この卑劣な行為を容認してしまうことに他ならない。キャリアある涼子にとって、いや女として、――人間として、絶対に認めるわけにはいかなかった。
「そうですか」
まだ睨む気力が残っていた涼子を鼻で嗤った土橋が、再び下着に手をかけた。パツンッという感触とともに脚の付け根が緩む。土橋が片手に持ったカッターナイフが、ショーツの片足を切り落としていた。
「なっ――」
二度と履けなくされたことを責める前に、土橋がさっと体を涼子の脚の間に入れると、そのメタボリックな腹をグイグイと前に進めて涼子の脚を割ってくる。
「う、やあぁっ!」
思わず手弱やかな悲鳴を漏らしてしまった。それを恥じている場合ではなかった。
涼子は必死になって脚を閉じて土橋の侵攻を食い止めようとした。土橋がグイッ、グイッと体を突き出す度に、二度放出してもまだ満身に漲っている男茎が、重たげな亀頭を揺らして近づいてくる見える……!
「……脱がして直接クンニしてあげようと思いましたが、そうまで言うなら、もうヤッちゃいましょうね?」
ふん、ふんと鼻息を漏らして進んでくる土橋の腹を、僅かに曲げることができた膝で挟んでいたが、土橋が舌を出し、ツーッと真下に垂れらした涎を茂みの中に落とすと、
「はあぁっ!」
雫垂をキャッチした指に突然クリトリスを弾かれて、電流のように性感が広がった。そこを見計らって土橋が一気に体を進めると、涼子の花園のすぐ前まで激烈な淫欲を醸し出している肉塊が到達する。
「さぁて、セックスですよ、セックス……」
二度目に撒き散らされた精液を舐め尽くした汐里がテーブルに登ってきて、スマホを掲げて画面を確認しつつ、繋がろうとしている二人の近くをウロついたが、土橋のすぐ側に並ぶ位置でカメラを構えると、
「ここなら、オチンチン入っちゃうとこも、その瞬間のマネージャーの顔も映るよ」
とカメラアングルを決定した。
犯される――
離婚以来、本当に一度も性交を行っていなかった。子育てと仕事をしていれば、男と交わることなど全く必要ではなかった。
女でも悶々とすることはあり、セックスを求める淫情を湧き立たせるものだ。そんな雑誌の記事を読んでも、もしくは夫婦間がマンネリ化した旧知から愚痴を聞いても、涼子は内心鼻で嗤ってきた。そんなもの男に負けた憐れな女の最後の拠り所だ。男なんて、我欲のために女を弄ぶ陋劣な生き物なのだ。
巨大な亀頭が秘門の戸口へ擦り付けられてくる。その肉質と体温。
最後のセックスの記憶。そう、まさしくあれは男である夫の我欲の塊だった。
悪夢が閃光のように甦る。
「いやあっ!! やめてっ! いやあぁっ!!」
突然憑かれたような抵抗が激発したが、全てが遅かった。もう土橋の矛先と涼子の花園を遮るものは何もなく、
「おお、イヤラしそうなオマンコですねぇ……。こうして見てるだけでたまんないですよぉ」
ピュッと飛沫がヘソ下まで飛んでくる。バストに挟まれた感触、驚愕の一撃の量、そして、それだけ出しても不浄の先走りを放ってくる。
別れた夫や、いままで体を許してきた男たちとは隔絶した強精の持ち主であることは間違いなかった。
夫がしでかしたのと同じく卑劣なレイプ。だが受ける惨苦はこれをはるかに凌駕するかもしれない。
絶望的な苦しみに襲われるはずだ……。瞬きすると、目尻から涙が一粒溢れてこめかみを伝っていった。セックスをすることも、悔し泣きすることも、この先無いと思っていたのに。
「じゃ、いきますよぉ……」
悲嘆に暮れている涼子に向かって、全く無慈悲に土橋が亀頭を押し込もうとしてくる。