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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第二章 報復されたシングルマザー-10

「こ、こんなことで俊介が喜んでくれるなら、お、お安い御用ってヤツだよ。呼んでくれたらいつでも、さ」
 郁夫はTシャツの上から腹をポリポリと掻いている。
「ほんと!? いつでも来てくれるの?」
 子供故に真に受けてしまう俊介が郁夫の方を振り返った。赤子の時から一緒にいることが多かったから、俊介は郁夫によく懐いている。
 最初は涼子も子供の面倒をよく見てくれる郁夫に感謝していた。今夜だって俊介を一人きりにせず一緒に居てくれたのだから、母親としては安心し、感謝すべきところだ。
 しかしそれならば、事前に涼子に連絡を入れて欲しい。そして兄の家に連れて、そこで面倒を見てくれれば帰りに寄って俊介を引き取るのに。だが郁夫はゲームを持参してまで、涼子には連絡もなく、兄に預けているはずの鍵でこの家に入ってきていた。
 特に最近は涼子の家に頻繁にやってくる。俊介にとっては自分の家の方が居心地良いから、わざわざそうしてくれている? そう好意的に解釈してやりたかったが、俊介は物心つかないうちから何度も寝泊まりしている兄の家を自分の家も同然に思っているはずだから何の支障もない。
 郁夫は中学の頭から学校に行かなくなった。小学校でイジメを受けていたらしい。気が優しいという兄の気質を、色白でぽっちゃりとした体に相応しく、愚鈍という悪い形でばかり受け継いでしまった。人と話そうとすると、もともと赤い頬がより真っ赤になって吃り、話し慣れていないことを露呈してしまう。身内ながらにいかにも「ターゲット」にされそうな容姿と性格だった。
 涼子が離婚して俊介と遊ぶようになるまでは、ずっと部屋に引きこもり、ゲームやネットに耽ってばかりいた。仕事をしているから四六時中面倒を見ているわけにもいかなかった兄は、郁夫の行く末をずっと心配していた。だから俊介の面倒を見るようになって部屋から出てくるようになり、相手が子供とはいえ色々と話すようになったのを見て、兄もまた涼子の家族に感謝をしていた。
「ありがとう、郁夫くん。もう大丈夫。勉強はいいの?」
 大検を受ける、と聞いているが、本気で取り組んでいるようには見えない。こうしてことあるごとに涼子の家にやってきては俊介と遊んでいる。
「まぁ……、き、気分転換だよ」
「だめよ、あまりサボって兄さんを心配させたら」
「……涼子さんも、し、心配してくれてるの? ぼ、僕のこと」
 えー帰るの、と正面から縋ってゴネる俊介の両手をポンポンと叩きながら、顔を上げて言った郁夫の表情に、思わず涼子は悪寒を感じてしまった。
「そうね……当たり前でしょ」
 涼子の言葉に嬉しそうに笑う郁夫の目線が胸の膨らみに及んだのが分かった。
 この前会議室フロアで見かけた、土橋とかいう気色悪い中年がチラリと向けてきたイヤラしい視線と同じだった。胸が大きいのはどうしようもないのに、どうして男はすぐに見てくるのだろう。上体に男の視線を感じると、いつも内心嘲っている。
 俊介の面倒を見てもらうようになってからの数年は、郁夫にとって思春期真只中だ。郁夫はいつしか自分に対して――正確には自分のこの体に対して、少年ではない、男の眼差しを向けてくるようになった。
 仮に「歳頃なんだから無理はない」と誰かに諭されたとしても、なら見ても構いませんねというわけにはいかない。最近はもう、会う度に胸だけではなく、腰にも脚にも、ヒップにも確実に感じる好色の視線は、いくら身内とはいえ不快で悍ましいことに変わりなかった。
 郁夫が自分に好意を持っていることは間違いない。いや、好意、などという純粋な恋心に収まっていてくれているならまだいい。このままでは自分が不在の時に家探しをしないとも限らない。郁夫が間違いを犯さないように、下着などの置き場所には気をつけているし、郁夫が帰った後、俊介に待っている間に何をしていたか詳しく聞くようにしている。それほどこの少年の目線のイヤラしさは油断がならなかった。




 保彦はスマホの画面を見て溜息をついた。アプリを開いたが、愛梨からフォローもプライベートメッセージも入っていなかった。スマホを壁に叩きつけたい思いをグッとこらえてポケットに仕舞う。する灯りが無くなって周囲は闇となった。
 汐里の会社を訪れ、金を引っ張ったら、夜にもう一度自宅へ行って土橋を待ち伏せする予定だった。しかし会社で会った宮本涼子とかいう女から受けた侮辱が忘れられず、外へ足を向ける気になれなかった。
 ――肉体が正常に戻った暁には、せっかく手に入れた憧れのアスカは壊れてしまっているかもしれない。だがちゃんと性奴隷にするところまではしてやったんだから許せ。
 土橋にそんな言い訳をしてその夜の探索を中止にすると、部屋に汐里を呼び出した。
 昼間と同じ姿で入ってきた小綺麗なOLをいきなり汚いマットレスの上に押し倒し、顔中を舐め回してヨダレでメイクを崩してやりながら、スカートの中へ手を忍び込ませた。無骨な指でイジり、汐里は屈辱の涙をながさせてやりたいと思っていたのに、触れた瞬間ショーツがビッショリと濡れているのが分かった。


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