わたし、女やったんや……-4
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二学期の終わり頃に、わたし 図書室の閲覧室の片隅に「つい立て」で小さな部屋を作って、本の補修をしとった。
そしたら つい立ての向こうから男子の声が聞こえてきた。
「おい、冬休みまでに童貞とお別れしときたいな。」
「そうやな。冬休みイベント多いし 三学期始まったら、もう三年に片足突っ込んどるもんな。」
「どないする、誰か適当な女子を輪姦する?」
……図書室で何の相談しとるねん。第一この声は、うちの学級の男子どもやないか。
「うえき なんかはどないや?」
「悪ないな。ブサイクやけど、チンチン固くなるほどの女やもんな。」
おいおい、わたしの名前が輪姦で出てくるか?
あれ、 もしかして か津やのヤツ、わたしとセックスした事を他の男子に話したんかな?
あれから時々、わたし か津やに「ごほうびセックス」をさせたりしとるもんな。
う〜ん…… わたし、これから一人で学校におる時 まわりに気をつけなアカンな、と身体を縮めてたら、
ドドンッ!
つい立ての向こうで大きな音がして、
「お前ら、ええ加減にせえよ!」
か津やの声がした。
「な津りサンは、ぼくの彼女やからな! お前らによごされてたまるか!」
……お、お前が言うんかいや。お前が……
【おしまい】