わたし、女やったんや……-2
「何 これ、何かの罰ゲーム?」
か津やは首を振った。わたしは身体を起こして言った。
「嘘やろ。わたしみたいな顔の女を 強姦する気になるはずないやろ!」
か津やは また首を振った。そんで言いよった。
「ぼく、うえきサンの事が 好きやから。」
何言い出すんや、こいつ……
か津やは わたしの上に乗っかっとるまま、話しはじめた。
小六になった時、一年から五年までに習ったことを「総復習」するテストがあった。
か津やはそれで「分数」がまるでわかってないことがバレてしもた。
その結果に教師から「分数をわかるまでやり直せ!」と言われたけど、図書室でいろいろ算数の本を見たけどわからへん。
図書室で途方にくれとったら、一緒の学級やったわたしが、
「どないしたん、何で泣いとるん?」と聞いたんやて。
そんでわたしが教えたら、すぐにわかるようになったんやて。
それで、それからずっ〜と わたしが気になってたまらんようになってしもたんやて。
それが何で今ごろになって、わたしを強姦する 言うことに結びつくんよ。
か津やの考えとる事が わからへんわ。
わたしは 起こしとった身体を寝かせて言った。
「ほな、好きなようにしいや。そやけど、強姦やねんから、わたしは協力でけへんからな。」
でも、そのわたしの言葉は一分ももたへんかった。