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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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将来-5

人気の無いゆったりとした公園に風馬君を誘い本題に移る。

「えっ!一条君と二人でホモしてたんじゃないの!?」
「だからそのとらえ方はおかしいよって、違うってばぁ。」

私に返答する前に下に目線を逸らし「あの二人!」と呟く。

「二人でいちゃいちゃしてたんじゃないなら一体何をしてたって言うの?」
「それはぁー。」

口ごもる彼、だけどその後吹っ切れたように胸を張って言う。

「二人でちょっと色んな所回ってたんだ。」
「…それってデートスポットを二人で回ったって事?」
「違うってばぁ!不動産屋に寄ったの、一条君のお父さんの知り合いがそこの経営者で
特別に色々説明してくれて。」
「酷い!私が居るのに一条君と愛の巣を探そうと。
「今すぐな訳ないだろっ!それに彼とな訳ないだろっ!」
「何赤くなってるの!やっぱり怪しい。」
「いい加減にしろよっ!!ふざけるんだったらもう知らない!帰る!」
「あっ待って、冗談だって。」
「…冗談?何だよそれ、信じられない!」
「だってしょうがないでしょ?あの二人が変な事吹き込むわ、君自身青森で佐伯君と仲が
良すぎだから…。」
「……。」

穏やかと言われる私と彼がこんなに怒鳴り合う日が来る何て。

「御免なさい、そんな訳ないとは本当は思ってる、でも!」
「ううん、僕の方こそゴメン、君を変な不安を与えるきっかけ作って。」

それから今度こそ本題に入り。

「アパートって家賃とかどのくらいするのかとか、実際若い夫婦はどのくらい住んでいるのか、色んな資料を見せてもらったよ、結構時間掛かったな。」
「それって。」
「勿論、僕と君が将来住む場所だよ?一条君じゃないから彼には伊吹さんが居るし。」

その為に一条君に無理言って、色々と学んだんだ。次に彼はバックから本を取り出す、それはこの前私に見られそうになって隠した本だ、そこには。

「初めての育児?…こっちは父親になるという事、って。」
「うん!正直まだ大袈裟かも知れないけど、やれる事はやっておきたいんだ、僕は将来君の夫となりそして父親となるんだ、それなら今みたいに頼りないと困るし、君とホント話が遠過ぎるけど生まれてくる赤ちゃんの為に、ねっ?」
「……。」

彼は私との将来についてこんなにも真剣に考えてくれてたんだ…。

「まずはとも働き、でも休みの日は一緒に色んな所行ってリフレッシュして、料理も交代交代で作って、お互いに意見を出し合って、買い物も一緒に行って、家事も出来る限り僕も進んでやる。」
「風馬、君。」
「そして君が妊娠したその時は、僕も少し無理してでも仕事を休む、後僕のお母さんと今はちょっと複雑かもしれないけど君のお母さんにも手伝ってもらって、それから…。」

穏やかな顔で、将来を思い描くように広い大空を見つめ、第一子は君に似て可愛らしい娘にその次は僕に似て優しい息子がいいなぁ…と語り続け。

「だから若葉ちゃん。」

ここで私の方を振り向き。

「高校を卒業しても僕らはずっと一緒、子供が生まれたらその時は…。」


     君と生まれてくるその子供も、僕が必ず幸せにしてあげるね


「っ!?」
「世の中何があるか僕にも君にも誰にも分らない、でも、僕らは5年10年お爺ちゃんお婆ちゃんになってずっとずぅーーと一緒だよっ!」
「風馬、君。」

プロポーズに近いような決意、あまりにも立派過ぎて両手で口を塞ぎ、今にも涙が…。

「あの時、本を隠さずに…、最初から打ち明けてれば良かったね、不動産屋と一条君の事も、こそこそ内緒にしないで…。」
「ううんっ!私こそ…君を信じようともしないで。」

だから図書館に……、ドーナツ店で浮気がどーのホモやゲイがどーの騒いだ自分があまりにも大馬鹿過ぎた。

「でも、ちょっと恥ずかしかったんだ、大袈裟過ぎるって笑われるんじゃないかって。」
「そんな事ない!立派、立派だよ!」

やっぱりこの人は素晴らしい子だ。

「いつか将来、そういう未来について行ってくれるかな?」

私の答えは勿論。

次回、43話に続く。


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