初めての・・・豹介とゆかりの場合-7
――最近、豹介の様子がおかしいのはゆかりも気がついていた。
(やっぱり私と葵が付き合ってるなんて噂流されて、嫌なんだろうな。
しかも私、二股女みたいに後輩から言われてるみたいだし・・・。
別に誰か何かしてくる訳じゃないし、私は気にしてないけど、
豹介はきっと傷ついてるんだろうな。
ほんっと、噂って迷惑・・・。葵の塾の子たちって、暇人!!
それに・・・やっぱり付き合って1年以上経つのに、
エッチしてないっておかしいのかな?
本当は私だって豹介と身体も繋がりたいって思ってるけど・・・
でも豹介もあれ以来、誘ってこないんだもん・・・。
ここは私からきっかけ作った方がいいのかな?
でも、私からエッチしてみようなんて言うの恥ずかしい・・・。
でも頑張ってみよう!!)
ゆかりの家の玄関に着くと、豹介はそのまま帰ろうとした。
「豹介!!あの・・・帰っちゃうの?ちょっとあがってかない?
・・・今、あの・・・お母さんいないし。」
ゆかりは頬を赤く染めながら豹介の指先を握った。
豹介は一瞬困った顔をしたが、
ゆかりが本当に言いたいことを感じ取って、家に入った。