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年下カレシ
【女性向け 官能小説】

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初めての・・・豹介とゆかりの場合-10

その日からの二人は、他人が見ても明らかにぎこちなくなってしまった。

あれだけ毎日べったり一緒にいたのに、二人でいる時間が減っていた。

更に豹介は部活で忙しく、無理やり作って会っていた二人の時間が無くなった。


こうなるとまた校内で噂が広がる。

ゆかりは豹介と別れたらしい、と。

この頃には葵の彼女はゆかりのはずはない、

去年噂されていた年上の女とまだ付き合ってるという話で落ち着いていたので、

すぐにゆかりを狙って言い寄って来る同級生や後輩が後を絶たなくなってしまった。


たとえ彼女と付き合えなくても、

一緒に歩くだけで見栄えのするゆかりと近づきたいからだ。


葵はしびれをきらして部活前の豹介を呼び出し、二人きりで話をした。


「ゆかりとどうなってんの・・・?本当に別れた訳?」

「別れてねぇよ!!」


イラついた様子で、豹介は持っていた部活用の鞄を地面に投げ置いた。


「何かあったのか・・・?」


心配そうにする葵に豹介は、つい本音が出てしまった。

葵に当たってもしょうがないのに、このイラつきをどこにぶつけていいのかわからない。

部活に打ち込んで、いくら走っていてもモヤモヤが消えない。


「―――もとはと言えば、お前とゆかりが一緒に帰ったからだ・・・。」


葵は黙って豹介の話を聞いた。


「お前がゆかりと、塾の近くなんて歩かなかったら

こんな噂なんて流れなかったのに・・・。」


ボソボソと彼に似つかわしくない弱い声で呟く。


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