悪夢〜抵抗〜-2
焦燥感に駆られ、あたりを見回す。
逃げ出す後ろ姿を発見した。
駆け出す。
風のような速さで駆け抜けた。
残りの1人は立ち止まり、こちらを振り返った。
「これが夢だってわかっているんだ。おまえもこれで終わりだ。」
おれは叫び声をあげ、銃口を向けた。
引き金を引く。
……カチ…カチカチ。
弾は出なかった。
それどころか、銃自身が段々と不鮮明になり、消えていく。
「オマエハ…ニンシキシャダッタノカ。
タマシイをイタダコウ。」
形勢逆転。
武器も意識も消えようとしていた。
まだ、おれは世界を支配しているはずだ。
ありったけの力で念じる。
突然火花が散り、
最後の一人のカラダが炎に包まれた。
燃えながら、にじり寄る男。
「コレ…デオワ…タトオモ…」
男は灰となった。
目が覚めた。
気持ちいい目覚めだ。
生き直した気がする。
そう次の恐怖が迫っていることをまだ気付いていなかったから…