一緒に居る幸せ-1
町に人気はなく鶯の鳴き声だけが響く速い朝。僕は息を切らし地面を蹴り大好きな女の子の居る建物へ走る。
あまり運動しない僕は案の定走る速度が徐々に縮まる、けどそんな事はあまり気にならない、僕の大好きな女の子の顔が見られるのなら…。
早くあの青果店に着かないだろうか?今日はいつにも増してその場所が遠く感じる。
会いたいっ!
別に数年ぶりに再会する訳でも、事故に巻き込まれてようやく会える…のような特殊で特別な訳でもない、昨日普通に会ってる人物とまた会いにいくだけ、それでもっ!
胸の鼓動が容赦なく高まる、会いたいっ!早くっ!
「じゃお爺ちゃん、無理だけはしないでね。」
朝からずっと思い浮かべていた人物が現実の物として僕の視界に映る。
今日も当然の如く制服を身に纏い、両手で鞄を持つ小柄で可愛い僕の彼女。
「若葉ちゃーーーんっ!♪」
「…っ、風馬君っ!?」
僕はあまりにも嬉しくて胸一杯大声で彼女に声を掛ける。
「どうしたの?私から君の家に迎えに行くのに…。」
「ぜぇ、はぁ…そうだけど。」
「?」
首を傾げる彼女、僕は蔓延の笑みで言う。
「君に会いたくて、我慢出来なかった。」
「っ!!」
目を丸くし、両手で口を隠す若葉ちゃん。
「おはよう、お父さん。」
「おう若菜、おはようさん。」
店で彼女のお母さんとお爺さんが挨拶を交わす、険悪な関係は修復出来たのかな?でも今はそれよりも…。
「そういえばまだ挨拶してなかったね。」
「おはよう、風馬君。」
彼女はきちんと挨拶してくれた、こういうバカ正直な所も魅力的だ。僕は挨拶を返す前に
彼女の両肩にすっと触れ。
「風馬君っ!?」
彼女のほっぺに僕の唇が触れる。
「ん…。」
「……。」
周りからしたら数秒に見えるが僕らからしたら永遠とも思える程長い時間に思えた。
「おはよう、僕の可愛い妖精さん♪」
お互い顔が真っ赤に染まる、でもこのキスが元で何かの制御が解除され、僕は彼女を壁に押し付け。
「きゃっ!」
「ごめん、少し強かった?」
「う、ううんっ!ちょっと驚いただけ。」
幸運な事におばさんもお爺さんも店の奥に行ってくれて、周囲には僕と彼女しか居なく、
その事実が一層気持ちを高ぶらせ。
「ねぇ、もっと…してもいい?」
「……うん、今のうちに。」
僕はほっぺの次に彼女の唇に触れるいや重ねる。
「ふぅ、むぅ。」
「ん、はぁ。」
何度も触れては放し触れては放すを繰り返し、挙句僕の舌を彼女の口内にお邪魔し。
「ああっ!」
可愛らしい悲鳴を上げる、ますます欲情が増し、両手で強めに彼女のほっぺを掴み、更に激しいキスをする。
くちゅ…ペろ、爽やかな朝に小さく鳴り響く僕らのキスの音。
彼女の太ももや腕を嘗め回すように触れる。
「ふんっはぁ!」
「綺麗な肌、まるで天使みたい♡」
「ふふ、もっと私に触れて。」
朝から本当に幸せな気分だ。