一緒に居る幸せ-5
夕暮れの景色が何処か寂しく感じる。
「御免ねぇー、荷物持たせちゃって、半分もとうか?」
「ううん、重たいからいいよ。」
二つ程の紙袋を持つ彼、これでも一杯買ったから重い筈だけど私に気を使わせまいと平然とした表情をする、優しいなぁ。
…楽しい時間はすぐに終わってしまう、何だか理不尽にも思ってしまう。
「色んな物買ったね。」
「うん。」
中はお爺ちゃんやお母さんに役に立つそうなグッツがほとんど。
「やっぱり君は家族思いなんだね。」
「そんな、風馬君だって……そうだ、いつか君の親にも会ってみたいな。」
「えー、うーん…良いよ、是非紹介したいし。」
それから分かれ道となり、荷物を返してもらい。
「じゃーね、風馬君。」
少し寂しい声を出してしまった。
「うん、また明日。」
そして私は彼に背を向けると。
「若葉ちゃん!」
「うん?」
彼は口の横に手を立て、大きな声で言う。
「好きだよーっ!!」
次回、42話に続く。