葵の父親-32 奈々子が休憩室に行くと、すでにもう一人の夜勤相手が奈々子を待っていた。 「遅かったね、大丈夫?まさか迷子になったとか?」 「いえ、あの・・・トイレに行ってて。」 彼女は不思議そうに何かを考えた後、すぐに話題を変えた。 「ふーん、そう。まぁいいけど、婦長にもらったパン選ぼうよ。」 ――結局この日は滞りなく夜勤は終った。