葵の父親-26
テーブルの料理のラップを外したり、温め直しているうちに私服に着替えた葵が戻り、
料理を食べて、プレゼントを渡してと、葵と過ごしているとなんだかんだで、
さっき彼の父親とこの家で対面して、
しかも職場が同じだっただなんて言うきっかけをなくしてしまった。
片付けも済んでソファーで二人、まったりしていると葵が奈々子にキスをしてきた。
最初はじゃれ合うようにしていたが、
段々と軽いキスではなく濃厚なキスへと変わっていく。
奈々子の脳裏に、突然、葵の父親の顔が浮かんだ。
(あ、ヤバいっ、このままだとエッチの流れだ・・・)
とっさに奈々子は葵の肩を押した。
「待って・・・お父さん、葵のお父さん・・今日帰ってこないの?」
「・・・知らない。帰ってこないんじゃない?」
「もし突然帰ってきて、私たちが、エッチしてるとこ見られたら・・やだ・・・。」
奈々子がそう言うと葵は諦めたように言った。
「じゃあ、奈々の家行こう。」
葵はそう言って奈々子の手を取り、彼女の荷物をまとめて玄関に向かった。
「・・あの、怒ってる?」
「え?何で?」
「ごめん、お父さんの話題出して・・・でも心配で。」
「怒ってないよ。今すぐ奈々としたいだけ。早く奈々が欲しい。」
せわしなく葵の家を出て、二人は奈々子の家へと向かった。
内心奈々子はホッとした。これで葵の父親と再び対面する事は避けられたからだ。
葵は奈々子の家に着くなり玄関で激しく奈々子の身体を求め、
奈々子は葵の父親の事を考える暇もないくらいたっぷりと愛されて、
いつの間にか次の日の朝を迎えた。