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水晶玉の告白
【SM 官能小説】

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水晶玉の告白-5

二十八歳のとき、わたしはSMクラブの女王様になった。プレイが演技だったとしても限りな
く性的な快楽は確かにわたしの中に見え隠れしていた。わたしは目の前の男に操られ、彼らを
否定する。互いに支配される関係…マゾ男とわたしの共通の快楽は単純明快だった。セックス
に対して不能の男と不感症の女ほど、性に対して敏感であり、どんな健康的なセックスを行う
男と女よりもはるかに《性的な関係》にある。

マゾの男たちは自らのあらゆる性的な部分を何のためらいもなくわたしに晒し、わたしは性に
対して饒舌になる。男を受け入れるそぶりを見せ、いかに彼が素晴らしい性的な男であるかを
褒めあげる。そしてマゾの男をくすぐり続ける言葉を発するわたしは、やがてつまらない玩具
に飽きたように男の頬に唾を吐き、男を否定する。

それは、わたしが見せるとても素敵な顔の瞬間だと、あるマゾ男が言ったことがある。わたし
は自分が男の顔に吐いた唾を彼の唇に冷ややかに塗り込む。唾は男の唇を琥珀色に彩り、苦痛
を欲しがる唇としてとても輝かせる。


 わたしは男に首輪を嵌め、両手首を後ろ手に革枷で封じる。彼の瞳はとても芳醇に潤みに
おおわれ、わたしに向かってとても従順な光を放つ。男はわたしに支配された証しとして、
悦びをもって私のハイヒールの先端に接吻する。

そして男がわたしの足先に跪き、脚先に接吻をした瞬間、わたしは男を卑下し、侮蔑する。
それはわたしがもっているとても自然な顔なのだ。想像力のあるマゾ男はわたしの脚にわたし
のすべてを描くことができる。冷たい光沢を孕んだハイヒール、沈黙した足首、優しげな
ふくらはぎと威圧的な太腿…。男たちは自らの欲望という妄想をわたしの脚に巻きつけ、酔い
しれる。

舐めるのよ…わたしの脚を。わたしがいいと言うまで。そう言われた男はとても神聖な悦びに
身を震わせ、わたしのハイヒールに両手を添え、愛おしく唇を這わせる。それは彼がどんな女
と交わした接吻よりも愛に充ちたもの。男は静寂に充ちた甘美な酩酊感に少しずつ身をゆだね
ていく。

息を殺してわたしの脚をなめる男は快感で肌を粟立たせる。わたしは彼の顔が見えないし、彼
もわたしを見ていない。わたしたちはひとつのものとして同化し、ただ、互いのからだの中に
《性的なもの》が溢れていることを感じとる。


男の唾液でまぶされたハイヒールはねっとりとした、淫猥な黒光りを孕んでいる。男はわたし
に命じられるままに床に体を横たえる。透明の液でうっすらと濡れたペニスはすでに硬くなり、
わたしに向かって喘いでいる。伸び切ったものがそそり立ち、無防備にゆれながらわたしを
待っている。

わたしの空洞を埋め尽くすものは目の前にあるというのに、愛を生まない男のものはただの異
物でしかない。わたしは椅子から立ち上がると男のペニスをハイヒールの爪先で踏みにじる。
コリコリと彼の下腹部の上でペニスが苦しげに転がり、ヒールが垂れ袋に痛々しげに突き刺さ
る。彼もまたそれを望んでいた。わたしは彼のペニスを虐めるために必要とされる女となる。

ペニスの皮をハイヒールの爪先で削り取り、鈴口に鋭く尖った踵を突き刺したい欲望がわたし
の中で発酵する。捏ねられるペニスと歪む陰嚢はチーズのように溶け、快楽を匂いたたせる。

苦しげに喘ぐ男の嗚咽は潤み、犬のように唾液を滴らせる彼の唇はとても魅惑的だ。男のペニ
スは女の肉洞を必要としているのではなく、苦痛を必要としている。とても無慈悲で淫らに
虐げるわたしのハイヒールの脚先を…。



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