凌辱姫-9
するとそこへ見知らぬピクシーが名乗り出て、自分がベラ王女を救済すると言うではありませんか。
もはや彼の素性を確かめるだけの猶予はありませんでした。
「くれぐれも王女を頼むぞ」
「かならず連れ帰ってみせます」
ピクシーは素早い身のこなしで城を後にしました。
城下町の人混みを抜け、道なき道をいくらか行った先に、魔女の棲むあやしい森がありました。
どうやらここがユートピアに間違いなさそうです。
とんがり帽子のピクシーは言いました。
「お姫様はおられるか!」
すると木の葉の擦れ合う音がうねって、森全体がざわざわと騒ぐのです。
と同時に、何者かの気配が森のあちこちから集まってきます。
ピクシーはいつの間にか魔物たちに取り囲まれていました。
皆一様に、腹に一物を抱えたような目をしています。
「歓迎してくれるのはうれしいけど、あいにく、君たちの相手をしている暇はなくてね」
ピクシーは余裕の表情で本命があらわれるのを待ちます。
その時、血生臭い風が吹き抜けたかと思うと、漆黒の闇の中に美しい魔女のシルエットが浮かびました。
ふふふ……。
少女のような笑い声とともに、いよいよ魔女の全貌が明らかになります。
「おどろいたな。君があの時の女の子だなんてとても思えない」
ピクシーは興奮気味に声をふるわせます。
なぜなら、彼の目に映る魔女の容姿は、キマイラと呼ぶにはあまりにも麗しいからです。
露出した肌は隠すものを持たず、その成熟した肉体にかつての王女の面影はありません。
「私を抱きたいのね?」
魔女が誘惑の眼差しを放ちます。
そして右手の中指をしゃぶると、卑猥な口を空けた陰部にそれを這わせてこねくりまわしました。
みちゃみちゃという粘り気のある音が、ピクシーの欲情をそそります。
魔女の中指がヴァギナに飲み込まれます。
「あっ!」
その声はベラ王女そのものでした。
本能的にそのような声が漏れてしまったのでしょう。
そこに一縷(いちる)の望みを見出したピクシーは、布袋の中から一本の髪の毛を取り出しました。
いつか禁断の果実と交換した、あのブロンドの髪の毛です。
「それは、私の髪……」
魔女は濡れた手を休めておののきます。
これから起きることの顛末を悟ったのでしょう。
「何をするつもりなの?」
おそろしくも美しい形相で魔女が睨みます。
「こうするのさ、ベラ王女!」