第15章 バイヤーの要望-6
第15章 バイヤーの要望(5)
媚薬を使って自白させられた後の百合絵は診察台の上で両足を開かされ、ベルトで動けないようにされていた。両手は頭の上のバーに、やはり鉄棒にぶら下がる感じで緊縛された。妊娠しているので、形だけ下腹部に保温用のタオルが置かれていた。
下腹部には、三十五才にしては黒々した豊かな茂みが盛り上がっていた。秘裂の花弁を囲んでいた陰毛だけは、ユキによってきれいに剃毛されていた。今は、肛門周辺も含めて電気による永久脱毛処理を進めている最中だった。歳がいっているから、毛根が太いのと、土手に脂肪がついて柔らかいので、なかなか脱毛処理がしにいと、ユキがぼやいていた。
マヤが性器の検診を始めた。
マヤは性器については大家で、それこそ何百人という性器を観察してきた。人工的に花びらである小陰唇を形成したり、膣を小さくしたりはお手の物だった。内性器も卵管結紮や子宮摘出などベテランだった。
ライトが無毛に変わった花びらにあてられた。百合絵につての観察が始まった。
マヤが性器のデータを読み上げ、ユキが記録していた。
「陰裂周辺は褐色の色素沈着があり、その面積はやや大きく、クリトリスの根元から大陰唇全体、そして肛門周辺にかけて濃い茶色を呈している。……内腿にかけては淡い褐色を呈している。……大陰唇は柔らかい膨らみで弾力が強い。表面に見られる襞の数は比較的少ない部類に属する。……小陰唇は辺縁部が黒紫色が強い。全体としては濃い茶褐色をしている。……小陰唇はクリトリスの亀頭下部から二股に分かれ、肛門の前まで全体を左右対称に取り囲んでいる。小陰唇の形は伸ばすと半円形で尿道口付近を頂点に膨らんでいる標準タイプ。……クリトリスは包皮から常時半分露出している。勃起時には……ちょっと待ってね……」
「あああ、……いやぁ」
マヤが包皮を剥いて人差し指で機械的にクリトリスの亀頭を摩擦した。根元の方まで擦ると、たちまち硬くなってきて、鞘から顔を出してきた。すかさずノギスを手にして続けた。
「勃起時は幅が十ミリを越え、長さも十五ミリを越える。……巨大型に属する。……オナニーの経験が多いようね。色は普段はチョコレート色をしているが、勃起時にはグミの実の色ような赤褐色になる。バルトリン液の分泌は少ない。これは独身で三十五才であるのと、男性経験が少ないためによるのかもしれない」
マヤは続けて膣内の観察を始めた。
「じゃぁ、中の方へ移るわよ。膣の伸縮性は十分で年齢相応。……あらっ、処女膜の残痕があるわ。性行為の経験が少ないようね。……子宮口は?……ええと……あら、二つあるわ。子宮も二つあるのね。右の方が大きくて、……なるほど……今こっちに胎児が入っているのね。左の方はかなり小さいタイプね。この感じだと両方とも妊娠までは可能ね。でも、たいていこの奇形の場合は出産まではいかないみたい。それから……」
検診は続いていった。
調べた結果、百合絵には妊娠可能な子宮が二つあり、現在、そのひとつに胎児が入っていることがわかた。調べた結果、二つの子宮は別々に妊娠できることがわかった。
この百合絵にロバの相手をさせるに、翌日から百合絵は乗馬室に入れられた。ロバに馴れたところで、割礼を施し、半分処女のようにして売り飛ばされることになった。
ユキは、妊娠しているのに割礼されて秘唇を縫われたら出産はどうなるんだろうとか、ロバと交尾してお腹の子は大丈夫なのかしらと、百合絵のこれからを案じていた。
<第15章 バイヤーの要望 おわり >