過去との決別-2
急いで着替えて、最寄りの駅のエスカレーターを駆け上がると、
目の前で電車のドアが閉まってしまった。
(あーー!もう、今日ツイてないっ!!!)
急いでる時に限って乗り損ねた電車の時間ロスは、イタかった。
時間があるのでスマホをチェックすると、
ゆかりから葵君は豹介とうちで先にご飯食べてる。というようなメッセージがあった。
(もし私と別れるなら、ゆかりたちとそろってご飯なんて食べないよね・・・?
大丈夫だよね、私。。。)
奈々子は自分にそう言い聞かせながら、次に来た電車に乗り自宅へと急いだ。
ゆかりの家のインターフォンを鳴らすと、すぐにゆかりが出てきた。
少し緊張した面持ちだが、何かスッと心が軽くなったような表情の葵が
ゆかりの後ろからやって来た。
「奈々ちゃんおつかれさま〜。じゃあ葵また明日ね。」
ゆかりも葵から何か話を聞いたのか、葵に頑張れと言って玄関のドアを閉めた。