齋藤春宮の悩み 〜想い、花開く〜-9
堪らない締め付けで射精をねだる蜜壺の感触に、龍之介は吐息を漏らした。
「ん、うぅ……!あっ、あっ、あっ……!」
ギリギリと、背中に爪が食い込む。
「いいよ、イッて……」
耳に息を吹き掛けるようにして、龍之介は囁いた。
まるでその言葉を待っていたかのように、次の瞬間美弥は限界を突破する。
「っあ……!」
「くぅ……っ!!」
美弥の最奥に向かって、龍之介は精液を叩き付けた。
「っあぁ……う……!」
叩き付けられる子種を搾り取ろうとして、淫裂が収縮する。
「っは……!」
用をなした一物をなおも締め付けられ、龍之介は呻いた。
堪え切れずに、再び濃いエキスを放出してしまう。
三度目の射精を感じ取ったか、美弥が喉を鳴らした。
「ふ……!」
「は、ぁ……」
ぴくぴく痙攣している美弥に全体重を預け、龍之介は息をつく。
口とお腹で三度イき、満足至極といった心境だった。
もちろんそれは、久しぶりに肌を合わせたという充足感もプラスされている。
龍之介は美弥の脇にどくと、汗ばんだ体を抱き寄せた。
「ふ……」
ころりっ、と美弥は転がる。
腕枕へ素直に頭を乗せると、甘えた表情で龍之介を見た。
満足してくれたらしい美弥へ、龍之介は優しいキスをする。
「ん……」
何度も唇を食んでいた龍之介だったが、美弥がもそもそし始めたのでキスを止めた。
「汗……流していい……?」
今にも眠りへ落ちそうなくらいに緩慢な動作で起き上がりながら、美弥は尋ねる。
「巴さん、帰ってきちゃう……」
その言葉で龍之介は、時間に追われるようになった事が惜しいと、思わず舌打ちしてしまった。
イッてしまってぐんにゃりしている美弥に後戯を施す時間や睡眠を摂らせる時間が、あまりないのである。
「一人で行ける?」
一緒に汗を洗い落としていたら我慢できなくなって襲うであろう事が容易に想像できるので、龍之介はそう尋ねた。
「ん」
それが分かっている美弥は龍之介の頬にキスを一つ落とすと、完全に起き上がる。
熱の冷め切っていない体はまだ上気しており、龍之介は欲情をそそられてしまった。
このままベッドに引きずり込んでまた肌を合わせる事ができたら自分はさぞかし幸せだろうと、龍之介は思う。
――素肌の上に貸した服を身に着けた美弥が部屋から出ていくと、龍之介は股間に触れた。
体は実に正直で、まだまだ元気である。
「やめてくれよ……」
苦笑した龍之介は、ぼよーんといきり立つモノに触れた。
そしてさっきまで恋人を死ぬ程よがり狂わせていたそれを、ガシガシ扱き始める。
とにかく欲望を吐き出してしまわなければ風呂上がりの美弥を襲ってしまうのは、容易に予想がついた。
後ろめたい思いを抱えつつ、龍之介は自分を慰める……。
シャワーを浴び終えた美弥が浴室から出ると、巴が帰ってきていた。
かなり簡単に済ませたのだが、どうやら手遅れだったらしい。
「きゃーーーっ!美弥ちゃんっ!!」
相変わらずひらひらふりふりファッションの巴が、龍之介から借りた服を鷲掴む。
「いや〜ん!裸の上にシャツなんてエロ臭い真似、いったいどこで身に着けたのぉっ!?」
熱いシャワーを頭から浴びて何とか眠気から脱出した美弥だが、意識が少々遠くなるのを感じていた。