齋藤春宮の悩み 〜想い、花開く〜-5
そんな事を言われないようにと思い、龍之介を口で愛したのに……龍之介の欲望と情熱は、止まらないらしい。
「たまには、構わないだろ?」
美弥自身は大いに構う所だが、早く自分を抱きたいと悩ましげな目付きをする龍之介を見てしまっては……抗議を、飲み込むしかなかった。
ここで我を通した揚句に時間が足りなくなり、後に変な場所でプッツンされたら……いったい、どうなってしまうのだろう。
そう考えると、今日はイタす前のお風呂は諦めた方が良さそうだ。
「仕方ないなぁ……」
不承不承ながらも美弥が受け入れる態勢を示すと、龍之介の顔がぱっと明るくなる。
「ようっし!それじゃ、改めて!」
龍之介は、美弥に抱き着いた。
頭のてっぺんから鎖骨に至るまで様々な場所に所嫌わずキスを降らせながら、下着を剥いてしまう。
「あ〜、やっぱり駄目ぇっ!」
急に美弥が、じたばたと暴れ出した。
お風呂に入らないのがそんなに気に食わない事なのかと思い、龍之介は動きを止める。
「あ……する事そのものが嫌なんじゃないの。お風呂は、諦めたし」
不安そうに様子を窺う龍之介を見た美弥は、慌てて弁解した。
「ただ、久しぶりだから……明るいのが恥ずかしいかなぁ、って……」
語尾がどんどん弱くなり、最後にはもごもごと口の中で呟く。
その頬は、真っ赤に火照っていた。
あまりにも可愛いその仕草に、龍之介はキュンとしてしまう。
キュンのついでにプッツンしそうになり、龍之介は慌てた。
「頼む。可愛い事は言わないで」
「ふぇ?」
訳が分からず不思議そうな顔になる美弥へ、龍之介はキスをする。
今まで我慢していた舌絡め合う濃厚なキスで口腔内を舐めずり回し、唾液を最後の一滴まで飲み干そうとしきりに舌を吸う。
「ん……!」
龍之介の舌に応えようと美弥も必死に舌を伸ばすのだが、絡み付いては吸い上げるその激しさに押されて鼻から声を抜けさせるばかりで、ろくに応える事もできていなかった。
「はぁ……」
しばらくして龍之介が唇を離すと、蕩けた表情の美弥は舌を伸ばしてキスをねだる。
「美弥……」
再びキスをしながら、龍之介は服を脱いだ。
「ん、ふぅ……んぅ、うぅ……」
キスをしたがっている美弥を慮り、龍之介は華奢な肢体を抱き締めて濃厚に唇を吸い立てる。
「ん……」
龍之介の腰の中心が熱くたぎっているのに気付いたか、美弥が体をよじった。
なおもディープキスをしながら、龍之介は組み敷いた美弥の体へはち切れそうに硬い肉棒を擦り付ける。
「して貰ったばかりなのに……ほら、もうこんなだ」
唇を離した龍之介はそう囁き、美弥の首へ唇を落とした。
「あぅっ……!」
首筋を舐められると、美弥はびくりと震える。
顎に手をかけてそっぽを向かせると、龍之介は首にむしゃぶりついた。
「きゃうっ!?」
鼻息の荒い愛撫に美弥は驚くが、龍之介の興奮状態を考えると無理もないかと思い、おとなしく愛撫を受け入れる。
「ん、ふ……!」
唾液でべとべとになるまで首筋をむしゃぶった龍之介は、次いで乳房に狙いを定めた。
鎖骨やデコルテに舌を這わせつつ、柔らかな膨らみを揉みしだく。
「んっ……あ、はぁっ……!」
乳首をつままれると、美弥はびくりとのけ反った。
「やふ……あ、はぅ……」
龍之介は胸を揉みつつ、そろそろと舌先を近付けていく。
触れそうになった瞬間、龍之介は愛撫を止めた。
乳房を凝視していた視線を上にやり、美弥を見る。
「あ……あ……!」
触れそうで触れない所で舌が踊るのを見た美弥は、ぷるぷると首を振った。