葵の決意-6
ある日を境に久実は制服ではなく、私服で葵の家にやって来た。
体のラインがでるピッタリとしたニットワンピを身にまとい、
すらりと伸びた細い脚を組みながら椅子に座っている。
まだ中学1年生の葵はそれだけでドキドキしてしまい、ますます久実を意識してしまう。
わからない問題の解き方を見せるために久実が前のめりになると、
不意に彼女の胸が葵の左手の甲に触れた。
葵は真っ赤になって慌てて手を引っ込めた。
久実はそれを面白がるように、悪戯そうに彼に囁いた。
「かわいいね、葵君って。」
葵はただ黙って俯くしか出来なかった。
なんとなく好意を持っている女の子の胸に思いがけず触れてしまって、
どうしよう!自分はどういう反応をすればいいんだろう?
そう困っていた時に、久実が葵の太腿に手を置いた。
「ねぇ、葵君って彼女いるの?」
「いっ・・いないけど・・・。」
「ふーん、じゃあ童貞なんだね。」
久実はにっこりとほほ笑みながら言った。
童貞と言う単語を聞いて、ますます頬が赤くなり何も返せない。
さらに久実に触れられている太腿に神経がいってしまう。