葵の決意-26
これからどこに行こう・・・。また行く当ても金もない。
そう思っていると、以前夜に公園で話しかけてきたキャバクラの女とすれ違った。
今日の化粧も濃かった。彼女はすぐに葵に気がついて話しかけてきた。
「あ、この間の美少年!悩み事は解決したの〜?」
からかうように葵に近づく。すると葵は以前とは別人のような顔で女に言った。
「してない。ねぇお姉さん、体で支払えば、俺の事助けてくれるんでしょう?」
前に会った時からは想像できないセリフを言われて、
女は驚くと同時に彼の色っぽい表情にクラクラとしている。
「そっ、・・・そうね。助けてあげてもいいわよ。」
駆け引きに慣れているはずの女でさえ、今の哀愁漂う葵は虜にしてしまう。
「でも助けるって言っても、何して欲しいの?」
「俺、住むところないんだ。」