葵の決意-18
気がつくとパラパラと雨が降り始めていた。
もうこれからどうしようとかそんな事さえ考えていなかった。
朦朧と歩く葵は足早に通り過ぎようとする女と肩がぶつかり睨まれたが、
彼の顔を見た瞬間に、見とれてしまったようだった。
そして彼が普通ではないと思ったのか、肩を揺すって彼に話しかけてきた。
「あなたどうしたの?!大丈夫・・・?こんな時間に。あなた学生さんでしょ?
親御さんは?!」
葵は女の顔を見ようとするが、焦点が合わない。
そのまま葵はその女にもたれかかるように倒れてしまった。