葵の決意-14
そう思った葵は荷物をまとめて家を出た。
もちろん父親にも新しい母親にも何も言わずに。
豹介の家にはなんとなく行けない。唯一の親友に心配を掛けたくない。
そこで久実に連絡してみるとうちに泊まってもいいよ。
と言ってくれたので彼女の家へ初めて向かった。彼女に事情を話すと、
彼女も動揺しているようだった。きっと自分の事を心配してくれているからだと思った。
彼女の両親は久実に無関心で、葵が数日、
彼女の家から学校に通っても何も言われなかった。
でもいつまでも久実の家に居候する訳なんていかないとわかっていた葵は、
フラフラと夜の町を歩いたりした。これからどうしよう。
中学生のガキが一人で部屋を借りれるわけなんてない。
そんな事を考えて公園のベンチでボーっとしてると知らない女に話しかけたられた。
「ねぇ、君どうしたの?大丈夫?」
見上げるといかにもキャバクラ勤めしている化粧の濃い女が葵を見下ろしている。
「考え事。」
葵はめんどくさそうに答えた。
「難しい考え事?」
「どうやったら自立できるか考えてるだけ。」
「ふーん、それじゃあそれは今すぐ解決できるわ。」
「何で?」
「お姉さんが助けてあげる。」
「タダで?」
「もちろん、君の体で。」
そう言いいながら体に触れてきた。
すぐに葵は立ち上がった。
「じゃあいいや、助けは入らない。」
葵はすくっと立ち上がって、公園を去った。