初めての彼女?-9
葵とゆかりはそんな会話を繰り広げながら、
部活が終わった豹介と合流してゆかりと葵が住む駅へと向かった。
「彼女も私たちと同じ駅に住んでるんだ〜。もしかしてすれ違ってたりして〜!」
クスクスと笑いながらゆかりが楽しそうに歩く。
そんな彼女と仲良く手を繋いでいる豹介も、
葵が彼女を紹介すると初めて打ち明けられて嬉しそうだった。
「それにしても、こんな日が来るとは思わなかったぜ。葵の彼女って想像できねぇ!
でも俺の予想ではお嬢様って感じかもな。」
「あ、わかるわかる!セレブみたいな?」
葵がゆかりの住むマンションに到着すると、ゆかりはますます興奮しだす。
「えっ?!ここ私のマンションじゃん!なに、なに?!」
エレベーターに乗り、ゆかりの家の隣の家のインターフォンを鳴らす。
「嘘・・・、葵の彼女って・・・。」
すると緊張した面持ちで奈々子がドアを開けた。
ゆかりと豹介は同時に大声で奈々子の名前を呼んだ。
「奈々ちゃん?!」「奈々さん?!」
葵は慣れた様子で奈々子の家に上がり、ゆかりと豹介も慌てて葵について行った。