初めての彼女?-8
そしてついにゆかりと豹介に打ち明ける日がやって来た。
放課後、ゆかりと葵は豹介の部活が終わるのを教室で二人待っていた。
「葵、今日塾ないの?」
「塾は夏休みの間だけ。」
「そうだったんだ〜。大学は医学部受けるんでしょ?」
「まぁね・・・受かればいいけど。」
「大丈夫だって〜!葵なら受かるって!!」
「ゆかりはどうすんの?」
「私?・・・まだ決めてない・・・。将来やりたいことなんて見つからないし。」
「そう。まぁ焦ってもしょうがないしな。」
「うん、一応私もどっか大学は行きたいな〜なんて思ってるんだけどね。
豹介はさ、もうスポーツ推薦の話来てるみたいなんでしょ?
地元離れちゃうなら寂しいな、なんて思ったりしてさ・・・。」
「ゆかり・・・。」
「あ、ねぇねぇ。ところで大事な話って何?
豹介に黙ってるから、今ちょっと教えてよ〜!」
「だめ。二人一緒じゃないと。」
「ケチ―!でも私わかってるよ!葵の彼女の事でしょ?」
「え?」
「あ、図星だ。だってさ〜、夏休み入る前に超話題になったじゃん。
葵、校門のところでキスしてたんだって?しかも年上の女の人と!
豹介と誰だろうね〜?って話してたんだけど、
葵が自分から話してくれるまで待つことにしてたんだよ、私たち。偉いでしょ?」
「――話題になってたの?」
「も〜〜!そういう所ニブイんだから。
葵ってさ〜、他校からもカッコイイって話題になってんの知らないでしょ?」
「・・・うん。」
「やっぱり!そう思ったよ。その彼女の事大好きなんだね〜。
その人の事しか見ていないって感じ?」
「・・・うん、俺が一目惚れした。」
「うそっ?!葵が一目惚れ〜?早くその彼女に会わせてよ!!」
「豹介の部活が終わったらね。」
「超楽しみ〜!」