初めての彼女?-5
「あのさ、俺たちの事豹介とゆかりに言おうと思うんだけど、奈々子さんはどう思う?」
「ゆかり達に?」
「嫌?」
「ううん・・・でも葵君の方が嫌なんじゃない?」
「何で?」
「――だって、今まで私たちの事誰にも話していないんでしょ?
私と付き合っていること、友達にはやっぱり言いにくい・・よね。」
「違うよ。今まで豹介に言わなかったのは、俺の初めての彼女が奈々子さんだからだよ。
あいつに恋愛の話なんてした事ないから、なんか言い出しにくくてさ・・・。」
「えっ?!嘘・・・今まで葵君彼女いなかったの・・・?」
奈々子は持っていたフォークを落としそうになるほど驚いた。
「そんなに驚かないでよ・・・。」
「驚くよ!だって私、葵君は何十人もの女の子と付き合ってたと思ったから!」
「何十人って、俺ってそんなに軽い男に見える?」
葵は笑いながら奈々子に言った。
「ごめん、そんな意味じゃなくって・・・。
今までたくさんの子に告白されたりしたんでしょ?
だからこの間、水族館に行った帰りに会った女の子も元カノかと思ったんだ。」