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Fender Rhodes 1971
【同性愛♀ 官能小説】

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前編-1


金曜日の夕方。
学校からの帰り。
駅まで行ってから、弁当箱を忘れてきたのに気付いた。

(やれやれ。残したゆで卵が腐ったら、弁当箱もう使えないもんなぁ。
何で私の嫌いなもの、わざわざ入れるかなぁ)

もうすぐ暗くなる。
校舎には、生徒はほとんど残っていない。
部活の掛け声が、グランド側から遠く聞こえるくらい。

弁当箱を回収して、音楽室の前を通り過ぎる時に、
目の端に暗幕カーテンの隙間から、チラっと人影を見た気がした。

気になって戻って覗くと、
後ろ姿の女生徒が、グランドピアノにのしかかるようにして、上体を痙攣させてます!
戻す寸前です!背中をビクビクさせてる!

「ウッ…ウッ…」
「ちょっ⁉タンマ!ここで戻すのはマズイよ!」

思わず早足で近寄って、女生徒の背中に手を当てます!

キッ!
振り向いて、赤い顔で睨まれます。

「アレ??…ゲロるん、じゃない、の???…」

同じクラスの島津さんです。
色白で物静かな人で、ちゃんと話をした事はありません。
私は目をしばたたくしか出来ません。
島津さんは急いでピアノから離れて、
うつむいて、乱れた制服のスカートの前を押さえて直します。

あ?…れ?…。
ピアノの角に、押し付けてた…の…ね…。

島津さんは逃げるように走り去りました。
いや、凄い勢いで逃げた。
ピアノに譜面を残して。

ど、どうしたら…。

暗澹とした気持ちで後ずさり、ピアノの鍵盤横に手が触れます。

ヌル

ちょ、グランドピアノの角っちょが、濡れてるし…。
角オナ…。角オナなのか?…。

優等生タイプの島津さんの、恥ずかしい姿を見てしまった…。


休み明け、島津さんは学校を休んだ。
家族に不幸があったそうです…。
ホントかよ?


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