それから-1
日が昇るまでティアラとラウルは抱き合って眠った。
ティアラにとってこんなに安心してぐっすりと眠ることができたのは久しぶりだった。
眠りから覚めて目を開けた時、ラウルの寝顔がすぐ傍にあるだけで、
もう何もいらない・・・そう思えた。
ティアラはそっとラウルの頬に触れると、ラウルがうっすらと目を開けた。
ティアラを迎えに来るためにほとんど休まずに来てくれたのだ。
疲れていないはずはない。
ラウルは寝ぼけているのか起きているのかわからなかったが、
安心した顔で再び目を閉じてティアラの胸の谷間に顔を埋めた。
一瞬だったがこんなラウルの顔を見たのなんて初めてだった。
彼が行方不明になり、記憶がなくなってからこんな無防備な顔を
見せた事なんてなかった。
ティアラはそんな彼を慈しむ様に抱きしめた。