それから-9
「合格だ。満点のな。」
ティアラはこらえきれなくなって涙を流した。
(やった!!!ラウルおめでとう!!!)
ラウルは無表情で王妃と師匠に一礼したが、
ティアラには彼も嬉しい気持ちでいるとわかっていた。
「ラウル、短期間で良く頑張ったわね。ティアラのための努力を認めましょう。」
ふふふと笑いながら、王妃は続ける。
「では、約束通りティアラをあなたに預けるわね。いいわよね、ティエラ!」
そう言って王妃はティアラの母の顔を見る。
「もちろんです、お姉さま。でも・・・」
彼女の顔が陰る。
「寂しくなりますわ・・・。」
「・・・お母さん・・・。」
ティアラは悦びの半分、王宮に来てからいつも一緒にいた母と暮らせなることは、
彼女にとっても寂しかった。
「でも仕方ないわね!お嫁に行くんだもの。子離れしなくちゃ!!
たまには顔を見せに来なさいよ。」
母は吹っ切れたようにティアラの肩をポンと押して、彼女をラウルの方へ向かわせた。
ティアラはありがとう、と言ってラウルの傍へ寄る。
「あなたの用意ができたら、いつでも彼の元へ行きなさい。
ラウルもそれまで王宮にいていいわよ。
でもティエラが言ったように、たまには遊びに来なさいね。」
王妃とティアラの母はそろって広間から出て行った。