それから-6
「俺だってそうしてぇけど、このまま消えちまったらお前の母親が心配すんだろ?
お前の叔母との約束もあるしな。」
「でも!!いつになったら私たち、一緒にいられるの?」
「もうすぐだ、もうすぐ試験がある。俺一人で獲物を狩ることが出来たら
一人前の狩人の資格がもらえる。そうしたら俺はお前を迎えに行ける。」
「でも・・・もし・・試験に失敗したら・・・?」
「次の試験を待つしかねぇな。」
「そんな!!」
「お前、俺が失敗すると思ってんのか?」
「そんな事ない!そんな事・・ないけど、心配なんだもん。
もし試験の途中で怪我しちゃったりしたらとか、
悪い事ばっかり考えちゃうんだもん・・・。私、運ないし・・。」
「―――もっと俺を信じろよ。この数か月間、
俺だってただのほほんと過ごしてたわけじゃねぇんだ。
お前を迎えに行くことだけ考えてた。俺は必ずお前を嫁にもらう。」
ラウルにそう言われて、ティアラは頬を赤らめた。
再び彼の口から自分が必要とされている事を聞くことが出来て、
嬉しさが込み上げてくる。
「私、信じてる。ラウルの事。・・・そうだね。帰ろう、私たちの国へ。」