救済-6
「俺だ!迎えに来たぞ!!」
ティアラはすぐに扉を思い切り開けると、
彼女の目の前には待ち焦がれてやまなかった、男の姿があった。
「ラウル!!!」
ティアラは急いで駆け寄るとラウルは両手を広げ、
彼女がすっぽりと彼の懐に飛び込むと、きつく抱きしめた。
「遅くなってすまねぇ。迎えに来た。」
「うん!」
ティアラは涙を流しながらうん、うんと何度も頷いた。
さっきまで溢れていた涙はつらかったのに、
今頬を伝う涙は嬉しさと安堵感で溢れていた。
するとラウルの後ろから声が聞こえてきた。
「無事に再会できたようですね。長旅で疲れたでしょうから、
あなたも今晩はここで休んでください。すぐに食事の用意もさせましょう。」
デニス王子も安心したように穏やかな顔でそう言うと、
一仕事終えたように去っていった。その後ろ姿は疲れているようだった。