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憂鬱なお姫様
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救済-4

しかし、しばらくすると再び勢いよく扉が開いた。


「ティアラ!!」


名を呼ばれて扉の方を向くと王子が駆け込むように慌てて部屋の中へ入ってきた。

一瞬ドミニク王子かと思い、ビクッと身体をこわばらせるが

デニス王子と認めるとティアラはほっと息をついた。


デニス王子は再びティアラが裸でいる事に焦り、

慌てて自分の上着を脱いでティアラにそっとかけた。


「再び済まない!!!弟がひどいことを・・・

先ほど父と私の所へ来て罪を認めたんだ。

君には何度謝っても許されることではない。

しかしどうか弟を許してほしい・・・。」


デニス王子は頭を下げながら続ける。


「ドミニクはほんの数分後に産まれただけで、長兄という立場を失った。

たった数分違いで次期国王という資格を得られなかったことに、

幼少の頃から劣等感を持って過ごしてきたんだ。

両親も祖父母もその悔しいと言う想いを受け入れたつもりで、

今までドミニクを甘やかしてしまったんだ。

でもそれが間違いだったと気がついた時には遅かった。


彼は自分の立場を利用して好き勝手にし始めてしまった。

でもわたしだってこの地位は譲れない。

必ず立派な国王になると誓っているのだから・・・」


ティアラはただ頷いた。

デニス王子の言いたいことはなんとなくわかる。

でも彼女の望みは一刻も早く帰りたい。それだけだった。


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