救済-2
これ以上輝かしいティアラの姿を見たくなくて、彼は舞踏会の会場から帰ろうとした。
でもティアラは自分を見つけて必死で追いかけてきたのに
どうしてティアラにもっと向き合わなかったのだろう。
もっと自分の気持ちを伝えていれば、
ティアラは隣国の王子の所など行かなかったのかもしれない。
急がなければ手遅れになるかもしれない・・・。
隣国の王は内密にティアラを迎えに来いと言っていたが、
あの下心丸出しの王子がティアラに手を出さないはずはない。
彼女を自分の腕の中に抱きしめたい。
逸る気持ちを抑えながら隣国までの道中、ほとんど休むことなくラウルは馬を走らせた。