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憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

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波乱-4

ティアラがこの国に辿りつくまで3日かかったので、そろそろ迎えが来てくれる頃だと

思ったティアラも油断していた。


伝書鳩ならすでに迎えが来てくれてもおかしくないので、

おそらく遣いの者が直接王の書状を持って馬で駆けているのだろう。


いつも部屋で食べていた食事を、窓の外から見える中庭で取ることにした。

知り合いもいない一人ぼっちの国で、さすがに何日も部屋に籠っていては

精神的にも参ってしまう。

天気もいいし、せめてきれいな景色だけでも見て癒されよう。


そう思って召使いの女にパンとチーズと甘めのワインを小さな籠に入れてもらって、

客間の外へと出ることにした。

デニス王子に教えてもらった中庭への道を思い出しながら、

ティアラは一人歩く。城にいる皆は忙しいようで、誰一人庭にはいなかった。


色とりどりの見事なバラの花が咲く中庭はティアラの心を癒す。

甘美な匂いが広がる庭園の中にベンチを見つけ、一人腰掛けた。


こんな状況じゃなかったらお城の中を散歩したり、

城下町に行ってみたかったなぁ・・・。


そんな事を思いながら昼食を摂っていると、

突然茂みの中から知らない小さな男が現れた。


ガサっと大きな音をたててティアラの前に現れた男は、

目部下に帽子をかぶって顔が良く見えない。

走ってきたのかぜぇぜぇと肩で息をしている。

ティアラは突然の事に目を見開いて、その男を唖然と見つめる事しかできなかった。


男は息を整えて彼女に早口で言った。


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