波乱-2
「先ほど遣いを出したから、そなたの国から迎えが来てくれるだろう。
それまで、どうか安心してこの城で過ごしてくれ。
それとドミニクがそなたに言ったことは全て忘れてくれ。
すっかり我が国の醜態を晒してしまった。
あやつがここまでの失態を犯すとは・・・。許してくれ。
―――そなたが我が国へ連れて来られたとは、
出来れば内密にしてもらえると助かるのだが・・・。」
国王にそう言われてティアラは安堵の表情を隠せないでいた。
(私、帰れるのね!よかった!!!)
自分のせいで戦争にもならないし、なによりラウルに危害を加えられなくて良かった!
と彼女は喜ぶ。
デニス王子は、ドミニク王子がまた部屋に来ないように客間を変えてくれた。
(国王とデニス王子がいい人でよかった・・・。
あとは迎えが来てくれるのを待てばいいのね。
どうか変態王子と遭遇しませんように!)