2.初仕事-3
玄関ドアを開けて、黒田が扮した水道工事の男が入ってきた。香代が演じるカヨコは前掛けで手を拭きながらその男を招き入れ、水漏れがして困ってるんです、とだけ伝えた。工事の男はそうですか、と言ってカヨコにシンクの下の棚を開けさせた。
どこから水漏れがしているか教えて下さい、と工事の男がにやにやしながら言うと、カヨコはその棚の中に頭を突っ込んだ。
黒田が小声で言った。「もっと尻を突き出すんだ」
カヨコは言われた通りに四つん這いで頭をシンクの下に突っ込み、尻を高く持ち上げるように背をそらした。
メインカメラを抱えた拓也は、側面からカヨコの黒いパンストに包まれた尻と黒田が入るように位置を決めた。
カヨコの豊かな尻を、黒田がいきなり鷲づかみにした。
きゃっと悲鳴を上げて、カヨコは身を引き、床に倒れ込んだ。
「さあ、奥さん、俺と楽しみましょう」
「いや、やめて!」
カヨコは本気で青ざめ、抵抗を始めた。
床に四つん這いにされ、スカートを剥ぎ取られて黒のパンストを穿いたヒップが露わにされると、その丸い肌を黒田のごつごつした指が容赦なく揉みしだいた。
それから黒田はカヨコの身体を無理矢理床に押し倒し、仰向けにさせるとパンストをの股間を一気にビリビリと乱暴に破った。カヨコは震えながら両手を後ろについて身体を起こし、怯えた表情で黒田を睨み付けていた。
拓也は苦々しい表情でカメラを操り、その表情をアップにしていく。
「ここも水漏れしているようですな」
いやらしい顔で黒田はそう言いながらカヨコの露わになった秘部を指でまさぐった。
しばらくその行為を続けていた黒田が、カヨコの股間から指を離し、声を荒げた。
「カメラを止めろ。何だ全然濡れてないじゃないか!」
恐怖に引きつった表情のまま、カヨコは凍り付いたようにその場で身動きできずにいた。
「ローション持ってこい! これじゃ画にならん!」
弁護士のくせになぜかアシスタントを務めている林が慌てて赤いラベルのローションを取り出し黒田に手渡すと、その作業服の男はチューブの先を直接カヨコの谷間に突っ込んで中にぬるぬるした液体を直に注ぎ入れた。
「よし、これでいい。続けるぞ、拓也、カメラいいか?」
それからカヨコの身体は黒田に存分に弄ばれた。着ていたシャツを剥ぎ取られ、つけていたブラも引きちぎられ、すぐに上半身は裸にさせられた。そして秘部を無理矢理開かれ、二本の指を突っ込まれて激しく出し入れされると、カヨコは苦痛に顔をゆがませて叫んだ。
「やめてっ! もうやめてっ!」
工事の男はそのカヨコの口を自分の唇で塞ぎ、ちゅうちゅうという音を立てて吸い、舌でべろべろとカヨコの唇を舐め回した。
苦いタバコの匂いと味がして、香代は気が遠くなりそうだった。
それでも黒田は手を緩めることなく、自分のズボンと下着を下ろしていきり立ったものをカヨコの顔に近づけた。そうして、さあ、咥えて下さい、奥さん、好きなんでしょう? と言いながら、半ば無理矢理カヨコの口をこじ開け、それを中に突っ込んで腰を大きく動かし始めた。
床に押さえつけられ、抵抗できないまま、口を浅黒く強烈に饐(す)えた匂いのするペニスに陵辱され、カヨコは涙をぽろぽろこぼしながら呻くだけだった。
拓也はたまらず叫んだ。「社長!」
黒田は動きを止め、そのカメラマンを睨み付けた。
「何だ、邪魔するな、いいとこなんだ。撮り続けろ!」
そしてカヨコの口からペニスを抜き去ると、彼女の両脚を大きく開いて持ち上げ、躊躇うことなくその谷間に濡れそぼった男の武器を突っ込んだ。
「いやーっ!」カヨコは最大級の悲鳴を上げた。
その表情をアップで捉えていたカメラのレンズ越しに、泣き叫ぶ香代は拓也をすがるような目で見つめていた。拓也は胸の奥から今まで感じたことのない怒りと悔しさと、香代への強い同情の気持ちが湧き上がってきた。
事が終わり、玄関口に立って乱れた着衣を整えながら、水道工事の男は涼しい顔で言い放った。
「奥さん、良かったでしょう? また来ますよ。あなたの水漏れを修理しに」
そしてドアを開けて出て行った。
その時、モニター近くに能面のような表情で立っていた黒田厚子は、片頬でにやりと笑うと、同じようにドアを開けてその部屋を無言で出て行った。
カメラを止めた拓也は、床に放心状態で横たわる香代に駆け寄り、抱き上げた。
「香代さん!」
香代は口元も秘部もどろどろに犯されたまましゃくり上げていた。
「大丈夫ですか、香代さん!」
その時香代はいきなり拓也の腕から離れ、破られた黒いパンストだけを下半身に貼りつけたままの憐れな姿で口を押さえて焦ったようにトイレに駆け込んだ。
間もなくトイレの中から香代が激しく嘔吐する音が聞こえた。
その場にいたスタッフは一様に黙り込み、お互い顔を見合わせて身を固くしていた。
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