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離婚夫婦
【熟女/人妻 官能小説】

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初めての野外行為-1

 1時過ぎ。豊川はアパートの部屋でうとうとしかけていた。その時、携帯電話のメール音が鳴り、眠りに落ちずに済んだ。
『1時半には上がれるからお迎えよろしくね』
メールは予想通り奈津美からだった。眠気が残る顔を洗い、多少なりともすっきりさせて外に出た。
 11月の声が聞こえてくる秋の夜。最近は、10月と言えどもまだまだ温かな夜が多い。
この日も適度な気温で、暑くもなく寒くもない。豊川が幼少の頃は、11月ともなるともう冬支度を始めていたものだったのに。

 最寄り駅の最終電車の時間は、0時半。一度家に帰って着替えてきから迎えに来たことにする。
 奈津美は小さな矛盾に対して、ビックリするほど敏感で鼻が利く。女の直感を通り越した域に達するくらい鋭敏だ。適当に誤魔化すことなんてしようものなら、突き詰められて早々にボロが出る。やるなら徹底的にやらなければならない。だから最終電車の時刻を確認した上で、根拠のある行動を取ったのだ。
 どっちみち夜食は食べなければならない。今日の立腹的な雰囲気からすると大好物の焼肉にしておいた方がいいだろうと思い、行きつけの焼肉店に予約を入れておいた。
 飲食店や風俗店などが数店舗ある繁華街には、深夜まで開いている焼肉店は2店舗しかない。その他、そういった客目当ての飲食店も数店舗あるけれど、やはり人気どころは焼肉か寿司。アフターで使う客も結構多いから、金曜の深夜などは争奪戦の様相を呈する。
 それを見越して予約した。行きつけでもあるので、多少の融通は利くけれど、取れない時は取れない。今日も、残り僅かの時点だったらしい。予約なしの飛込みだったらば、おそらくは無理であっただろう。
 取りあえず、機嫌取りの第一段階はクリアした。ここで焼肉が食べられなかったならば、その後の持ち上げに苦心させられるところだった。

 駅の連絡通路を通り、南口の繁華街付近に着いた。時計は、1時20分を指そうとしていた。上がり予定の10分前。営業マンの心得として時間厳守は当然であるし、奈津美も時間にルーズな方ではないので、早め早めに動いた方が良い。
店舗裏側のスタッフ通用口からは、ポツリポツリと女の子たちが出てきては、送迎用のワゴンに乗り込んでいく。
 通用口から見える位置に立つと、さすがに露骨すぎるので、近くのコンビニで時間を潰しているとメールを送った。
 1時30分丁度に奈津美はコンビニに入って来た。彼女の顔を見ると、一目で機嫌が良くないことが読み取れた。そして、珍しくアルコール臭がしており、頬も赤くなっている。
「わざわざごめんねぇ」
 予想とは違った第一声に少し戸惑った。もっと不機嫌な感じで、プリプリ怒っているのだろうと思っていたからだ。酔っているからだろうか。
 まずは感謝の意を受けて、少しくすぐったい感じがした。普段の奈津美だったら、早々に怒りの一言、または愚痴から入ることが多いので、構えていた分拍子抜けもした。そして、その表情はどちらかというと不機嫌を通り越して疲れ果てた様な感じにも見えた。
「腹減っただろ?何食べる?」
 予約をしていることを考えれば、焼肉一択になるのだが、聞くだけ聞いておかないと更に不機嫌な方向に流れてしまっても困る。
「そーねぇ、肉をガッツリと・・・・・・って感じかな」
 ビンゴ。豊川の思っていた通り、焼肉のリクエストをいただいた。
「でも週末のこの時間だから、多分混んでるわねぇ」
 奈津美も、週末の混雑具合は理解しているらしく、半分諦めたような口調になっている。
「とりあえず、行ってみよう」
 豊川はあえて予約していることを告げず、多少のサプライズ演出も含めて焼肉屋に誘導する。
 終電が無くなったこの時間でも、繁華街の一角はけっこうな賑わいを見せている。特に週末の金曜日のせいか、いつもよりも人の姿は多い。
 いかにもキャバクラのアフターであるのが見え見えのカップルも多い。既に出来上がっているであろうカップルから、何とか念願のアフターにまで漕ぎ着けたであろう風に見えるカップルまで何組かのカップルが通りを歩いている。
 店から焼肉屋までは、歩いても1〜2分の距離。駅に向かっては逆方向にある。短い距離ながら2組のカップルとすれ違った。見た感じ、焼肉屋で食事をするつもりが、満席で断られたように見える。
「ほらぁ、やっぱり一杯だよぉ。みんな戻ってきてるじゃん」
 奈津美もすれ違うカップルの様子に気付いたようだ。
「とりあえず、行くだけ行ってみようよ。タイミングが良ければ席空くかもしれないし」
 待ち時間が長いため引き返してきたはずだから、今行っても無駄なことは少し考えればわかること。普段の奈津美ならすぐに気が付きそうなはずだが、この日は酔っているせいもあるのか、おとなしく店までついてくる。
「ほら、外で待っている人もいるよ。満席なんだね」
 奈津美の声は聞こえていたが、聞こえないふりをして店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
 入口付近のキャッシャーには、見慣れた男性店員が立っていた。
「えっ!!どういうこと?」
「予約しておいたんだ。肉が喰いたいだろうと思って」
 予想だにしていない状況に、奈津美の疲れた顔がにこやかな笑顔に戻った。
 このサプライズに機嫌を良くしたのか、いつになく愛想よく、腕を組んだまま席の案内を受けた。

「かんぱ〜い」
 既に酔っていると思われた奈津美だったが、なんと大ジョッキを注文した。こんなことは付き合い始めてから初めてのことで、これには豊川も驚いた。
 この日はいつも以上に飲み、食べた。ストレスから来る食欲というものだろうか。では、そのストレスの原因は何か。
 その理由は、今日の客にあったということだ。
 豊川が気になっていた通りだった。メールから感じ取った異変は当たっていた。
 奈津美は焼肉を頬張りながら、その核心を話してくれた。


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