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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 美術その3 〜-2

 ……。


 粘土でバストを強調した上半身の像は、美術用語で『塑造(モデリング)』といいます。 可塑性の素材を軸木に貼り付ける製法は、粘土を削ったり継ぎ足したりできるため、納得がいくまで作品に試行錯誤できるんだそうです。 

 【B2番】先輩がつくった粘土製の乳房は、箆(へら)で大胆に乳首を凹ませていました。 いわゆる『陥没乳首』です。 上品にぽっちり啄む乳首だとはお世辞にもいえません。 乳輪にしても、明らかに大きすぎです。 しかも乳腺に至る血管がそこかしこで透けていました。 たっぷりとたゆむ様子といい、発達した乳首回りといい、率直にいって不恰好です。 綺麗な乳房とは程遠くて、質感だけが生々しくて……いやらしくて下品な乳房でした。

 先輩によると、最初につくった『地味で小振りな大人しい乳房』が見向きもされなかったから、思い切って歪に仕上げたとのこと。 そしたら合格を貰ってしまって、当時は逆に焦ったそうです。 私だってこんな乳房が『理想』だと言われたら、どうしていいか分からなくなると思います。 だって、私たちにとって、乳房は単に美術で作る対象なんかじゃありません。 体育の実技や保健や何やらで、常に向き合わなくちゃいけない身体の大切な一部です。 その理想形がこんな下品な姿だとすれば、いずれそこを目指す羽目になるわけですよ。 どうにかして乳首を陥没させて、乳腺が血管と一緒に浮き上がるように、例えば乳房を激しく揉んでパンプアップさせたりするんでしょうか? 

 
 ……頭が混乱しかける私に、【B2番】先輩が次の像を見せてくれました。 裸の女性全体を象った塑像です。 全力で短距離を走ってゴールする瞬間をイメージした像で、両手を背中に伸ばし、前傾姿勢の中で胸を張り、双乳が弾む様子まで伝わってくるような躍動感ある像でした。 麻縄を巻いた心棒と、針金に麻縄をまいて作った手足の軸を組み合わせ、粘土を貼りつけて作ったそうです。

 今度の乳房は、しかし、さっき見た胸像の乳房とは打って変わった形でした。 乳首も乳輪も控えめで、乳房自体もせいぜいCカップ程度の大きさで、どこにも歪(いびつ)さがありません。 如いて特徴をいえば、ロケットのように重力に逆らい、ピンと勃起した乳首が水平に伸びている所でしょうか。 陸上の短距離走では、胸の先端がゴールラインに達した時点で通過と見做します。 なので、最も早くゴールするには乳首でゴールするのがいいと思い、乳首の扱いにだけ拘って作ったところ、無事に合格できたんだとか。 ということは『理想のおっぱい』は、別に乳首が陥没させる必要はないんですね……う〜ん、走るときにピンと勃つように乳首を鍛えればいいのかなぁ……ちっともピンときてくれません。



 とかなんとか考える中、先輩が3つ目の像を持ってきます。 白を基調にした胸像は、石膏(せっこう)の『じかづけ』でつくった作品とのことでした。

 今までの乳房より一回りも二回りも大きくて、サイズでいうならGカップは有りそうです。 そんな巨乳のうち、左は普通な一方で、右の乳房が根本を縄で括られていて、絞るように縊られていました。 釣鐘状に変形した右乳房だけ表面が磨かれていて、肌がピンと伸びた様子が伺えます。 充血を表すためか、色も右乳房の方が左よりもくすんでいます。 さらに右だけ浮き出た血管がピキピキとあしらわれたせいか、見ているだけで痛々しくて、直視するのも躊躇われるようなリアルさがありました。

 製作方法ですが、五寸釘を木台に挿し、新聞紙を巻いて軸とします。 次にマングリ返しの体勢をとって、膣に水を入れて貰います。 その上で硫酸カルシウム水和物(焼き石膏)の粉を膣に加え、箆(へら)でかき混ぜれば5分ばかりでペースト状の石膏液が完成です。 後は膣から石膏液を指ですくい、軸に上塗りを重ねて造形します。 先輩によれば、固まりかけた石膏はとっても激しく発熱します。 マングリ返しのまま、固まりかけのドロドロした石膏液を零さないようにジッとしていると、内臓が焼かれる気分だそうです。 『熱いとか痛いのは勿論だけど〜自分の身体がどうなっちゃうかが怖かったですねぇ〜。 でも〜結局どうってことはなくて〜あたしたちの持ち物って〜思ったよりも丈夫ですよ〜。 中で固まっちゃったのは〜最後に無理矢理剥がすんですけど〜そっちの方が痛かったですねぇ〜』と、先輩は笑って教えてくれました。 当然、聞く側の私と22番さんは、笑うどころじゃありません。


 


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