屈辱-16
それにしてもデニス王子と変態ドミニク王子が双子だっただなんて・・・。
しかも性格が正反対。
デニス王子なら話が通じると言われた事を思いだす。
急いで顔を洗って身支度を整えて、ティアラは客間の扉を開けると
デニス王子は扉から少し離れたところで待っていた。
もう彼の顔は赤くなく、初めて見た時の威厳のある顔つきに戻っていた。
「お待たせいたしました。」
ティアラは王子に近づくと、王子は微かにほほ笑んだ。
「美しいですね。弟が無理やり連れてきた気持ちもわからなくもありませんね。
申し訳ないのですが、わたしの父が待っていますので一緒に来てもらえませんか?」
「―――はい・・・。」
ティアラは素直にデニス王子に従い、国王が待つ部屋へと足を運んだ。