屈辱-15
「君・・・大丈夫かい?」
王子とほぼ同じ顔をした男に話しかけられる。
変態王子と同じ顔なのに、話し方や雰囲気が正反対だ。
「わたしはドミニクの双子の兄のデニス。弟が無礼をして大変申し訳ない!」
デニスと名乗る男は本当にすまないと言うような表情でティアラに頭を下げた。
王子の兄という事は、次期国王という事だ。
そんな身分の人に頭を下げられてティアラは恐縮する。
「だっ大丈夫です!!頭をあげてください、王子さま!!!」
ティアラはすぐにベッドから降りてデニス王子に挨拶する。
「申し遅れてすみません!ティアラと申します。」
「いや、わたしこそすまないティアラ。
急ぎで弟を探していたとは言え、客人の間へズカズカと入ってきてしまった。」
王子が顔をあげると、はっと突然気がついたように、彼の顔が真っ赤に染まった。
「あっあの・・・わたしは部屋の外で待っているので
支度を整えて出て来てもらえませんか?」
早口でそう言い残すと、そそくさと部屋を出て行った。
「・・?はい、急いで。」
(どうしたんだろう?急にそわそわして・・・。)
ティアラは何気なく自分の胸元をみると、
くっきりと乳首が服の上からでもわかるほどピンと勃っていた。
誰もいないのに、彼女はとっさに両腕で乳房を隠した。
(やだっ!恥ずかしいっ!!!)
羞恥心を隠すように、持ってきたトランクから服を取り出して、いそいそと着替えた。