太め女性議員の愛人-5
5.
「まさか、幹夫さんが泣くなんて」
「うん、何か胸に詰まっちゃって、恥ずかしい」
「私、何て言ったらいいのか〜〜〜」
聖子の声も、涙ぐんでいる。
「ねえ、私と付き合ってくれないかしら」
「もう付き合ってるじゃないか」
「だからさぁ、これからもってことよ」
「君さえよければ、願ったり叶ったりだけど」
「幹夫さんが、こんなに私のこと想っていてくれたなんて、知らなかったわ」
「僕は、ロマンチストなんだよ」
「うちの人は、ロマンのかけらもないのよ、セックスも下手だし、こんなに気持ちがいいなんて知らなかったわ」
「まあ、そうご亭主をけなしなさんな、好きで一緒になったんだろう?」
「意地悪ね、さっきも言ったように、私は幹夫さんの方が好きだったのに、あなたがもたもたしてたからいけないのよ」
「そう言う理屈もあるんだ、政治家には叶わない」
幹夫との交わりで、聖子は初めてオルガスムスを味わった。
決して自慢の出来るとはいえない自分の身体を抱いて、幹夫は涙を流した。つられて自分も、訳も分からず涙ぐんでしまった。
横須賀で橋田寛一に処女を奪われた時は、痛いばかりでまるで強姦されたと同じだった。
不慣れな寛一は、ムードも前戯も無視して、唾もつけずに挿入したに違いない。
その上終わった後で、してやったりとばかりに、にやりと笑った。
同じ男でも、なんていう違いなの。私を抱いて涙を流して喜んでくれた幹夫さん、女冥利に尽きます。これからの人生、貴男と愛を分かち合って生きていきたい。