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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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母親-4

「何しにきたんじゃっ!うっ?ごほっごほっ!」
「ほら無理しないで、んもう今日は怒鳴ってばかりね。」
「うるさい、お前たちのせいだろうが…。」

急な訪問者にもはや営業する事は出来ず、今日は臨時休業の張り紙を貼り、居間で4人
お話をする事に。

「風馬君、もういいのよ?これは私たち家族の問題だから。」
「そうじゃ、色々巻き込んでスマンかったな。」

二人はそう言うが。

「ううん、僕は好きで巻き込まれた訳だから。」
「けどっ!…あ。」
「勝手かも知れないけど僕だって関係あるよ、君の問題は僕の問題、君の苦しみ悩みは僕の苦しみ悩みなんだから。」
「風馬君。」

お爺さんとおばさんに見えないようにテーブル下で彼女の手を握る。多色不服そうだが
話を進める事にする彼。

「一体どの面下げて戻ってきよってからにぃっ!」
「お爺ちゃん、なまりが凄いよ。」

今関係無いじゃん…

「それは、本当御免なさいっ!」
「お母さん。」
「……。」

深々と頭を下げ謝るおばさん。

それから彼に問われ、これまでの経緯を語る。

小学生の頃僕と若葉ちゃんの両家が一緒に楽しくやり、それからしばらくし共に旅行や
バーベキューなどの目立った共同行事を行わず過ごしているとおばさんは突然ノイローゼ
にかかったらしい、元々しっかりしているけれどもその反面短気で神経質な所もある彼女
実は保育士になるのが夢でその為に忙しい家事のあいまをぬって本を読んだり講習を受けたりして。けれどもそれも中々上手くいかず試験には落ち、夫からは全面的に反対されてて応援もしてくれずそれどころか「お前は家事と母親だけしていればいいんだ!」の一点張り…、それでストレスの限界に達した彼女は家を飛び出て実家の母親の元へ戻り。

「じゃーおじさんにも原因があるんだね。」

僭越ながらさっきからため口で、おばさんの話に意見する僕。

「…じゃがわしが一度たまたま幼いお前が住んでいた家に行った時、娘が出てった事を
問い詰めたら言ったんだ、「妻が出てったのは自分にも責任がある」と。」
「お父さん…。」

おじさんも似てるな今のお爺さんと。

それから念願の保育士にはなれず地元の事務職に落ち着き、おばさんの母親が背中を押し
説得した事からここに至り。

「その人に言われてここに来たけど、もしその後押しがなかったらどうしてたんですが?
というかどうして自分から会いに行こうとは思わなかったの?」
「風馬君!」

無関係の僕がでしゃばる事にいささか戸惑う彼女。おばさんも僕の顔を見て。

「…貴方、どっかで見た事あるような。」
「風馬です、小鳥遊風馬です、旅行以来ですね。」
「!うそっどうして!」

転校の事は知らないようでこの北海道に居る筈がないと思い。僕はこれまでの経緯を話した、恋人関係である事は今は伏せて。

「そっかぁー、ふふ大きくなったわね。」
「えへへ。」

僕が子供っぽい事するから少し表情が濁る彼女、それから本題に戻り。

「それは、わしが今思っている事と同じだからじゃろ?」
「っ!!」

おばさんの代わりに彼が口を開く、それはつまり今更自分のような親が娘に会いに来ては
行けないという罪悪感にかられ…。

「して?用はなんだ、まさかただ娘に会いに遥々来た訳じゃ。」
「まぁそれもあるけど。」
「?」

そう言うと彼女は若葉ちゃんを見つめ。

「若葉、私と一緒に暮らさない?」
「え……。」


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