7月7日-4
短期間でスキャンダルを立証するために毎日のデートで決まったコースを選択する。
路上での抱擁を繰り返し、浮辺の熱愛がスクープされれば良し。
そう思い、見せ掛けの熱いキスと言葉を交わす俺を舞花が誘った。
「家にくる?…」
「………なに、俺の誕生日に舞花くれんの?」
舞花は顔を赤くして見つめる。
お決まりのように舞花のマンションまで送り、玄関先で唇を重ねる。
絡めた舌を離した直後にうっとりしながら熱の隠る瞳で見つめる舞花の誘い。
もともとフリーだった俺が断る理由もなく、熱愛確証させるのに朝帰りのシャッターチャンスもマスコミに与えてやるかな?
なんて軽い気持ちで誘われるまま舞花のマンションに足を向けた。
部屋に入って直ぐに唇を重ねる。当たり前のように約束された情交──
玄関で絡み合うように舞花の衣服を脱がすと細い腰に似合わずボリュームのある胸が弾けた。
デカイッてのは意味もなく興奮する。
手のひらから溢れる舞花の胸を揉みながら、その気になり始めた下半身が強く脈を打ち返した。
噎せるような甘い香水──
舞花が毎日つけている匂いにいつの間にか鼻が慣れている。
・
その香りをかぎながら舞花の首筋に舌を這わせ、水色のブラジャーからはみ出した乳首をゆっくりと指先で転がした。
「待って…っ…」
「………」
「シャワー浴びたい…」
「……」
早く突っ込みたいんだけど?…
なんてことは思っても言わず──
乱れた呼吸を整えながらバスルームに向かう舞花を優しく促した。
日の目を見ない一向に売れる気配のないグラビア女優──
安い賃貸マンションのワンルーム。
正直、舞花くらいの女なら、どこぞのスポンサーに囲って貰えれば贅沢三昧なのに…
よっぽど芸能界に憧れてたんだろう──
なんて部屋を眺めてソファーベッドに腰を下ろした。
俺とのスキャンダルで盛り上がれるか最後の勝負。
事務所の可愛い後輩なら手厚く抱擁してやるか?
これが最後の可能性は高い訳だし──
そう考える俺の背後でバスルームの扉の音がした。
タオル一枚を巻いた柔らかい弾力が俺の腕に押し付けられる。