温泉旅行-24
このまま
三人の時間が始まってしまいそうな気がした
彩香を 二人で愛する時間・・・
彩香も 少し察しているのか
少し甘い顔をして
俺を見てから 翔の方を そっと見た
翔は グラスを置き
彩香を見つめていく
「彩香・・・・女の顔 できるようになってたんだね」
「・・・・・・何よそれ 昔からできてました・・・」
「中学までは 間違いなくできてなかったな」
「・・・・・・じゃあ 隆に会ってから・・・かな?」
彩香は 少し意地悪っぽく翔に笑いかけ
「女になった 私を・・・・・・・・見てみたい?」
と 囁いた・・・・
近所の宴会の声が邪魔だが
しっかりと 翔にも聞こえる声だった・・・・
その言葉の意味は・・・・・・
彩香の心の準備ができたってこと・・・・なのか?
数秒 部屋の中は沈黙していた・・・
俺も 何も言えなかった・・・・
彩香が 翔を見つめ
翔が 見つめ返している・・・
数分経ってしまったような気がしたとき
翔が ゆっくりと立ち上がった・・・・
始まってしまうのか?
そう思っていた時
部屋のドアをノックする音がした
「お食事のお片付けに参りました」
石田さんの声で
俺たちは 我に返ったようになり
「はい!どうぞどうぞ!」
と ハモってしまった・・・