隣国への旅立ち-1
ティアラが外出を許された時に使っている城門へたどり着いた時、
門番が困ったように彼女に言った。
「申し訳ありませんが、ここは通ることはできません。」
「――どういう事ですか?」
「この門は本日、錠をかけるように言われておりまして・・・。」
「・・そうですか、それなら他の所へ行きます。」
「いえ、全ての門が閉ざされているのです。」
「え?どうしてですか?」
「国王陛下の命令です。」
「国王の?!・・・どうしてなの? !
私急いで行かなくちゃいけないのに・・・。」
「申し訳ございませんが、わかりかねます。」
ティアラは城の外へ出れずに、王宮へ再び戻った。
ラウルの命が危ないかもしれないのに、
どうして門を閉ざしたりなんてしているんだろう。
こんなこと今まで一度もなかったのに・・・。
お妃様に相談してみよう。