隣国への旅立ち-3
「君には簡単に説明しないといけないな。君の未来にも関わることだ。
このことは他言しないように頼むよ。
実はな、隣国の王子は君を嫁にもらいたいと言ってきたんだ。
我が国と隣国は友好条約を結んではいるが、まだ口約束みたいな状態なのだ。
私は姪を隣国に嫁がせる気でいたのだがまだ7つでな、
隣国の王は待ってくれると言ってくれていたのだ。
隣国の王と長兄はまだ話が通じるのでいいのだが・・・
問題はドミニク王子なんだ。
こう言っては悪いが、我儘というかね・・・。
なんでも自分の思い通りにしないと、気が済まないというような王子なんだよ。
隣国は我が国より資源も豊かだし、兵力も強い。
戦争すれば確実に我が国は滅ぼされてしまうだろう、
しかし隣国の王は心優しいお方でな。無駄な戦争はしたくないと思われている。
それに次期国王もそのようなお考えだ。
しかし、ドミニク王子は違う。領土を出来るだけ広げたいという
考えを持っているようだ。
彼の考えだけで戦争や政治は変わらないが、
万が一・・・万が一にあの王子が国内で反乱でも起こしたらと考えると、不安でな。
こちらとしてもできるだけドミニク王子には逆らわない方がいいのだが・・・。」