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《幼虐〜姉妹姦獄》
【鬼畜 官能小説】

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〈狂育〉-2

『ああ、愛お姉ちゃんね?愛ちゃんならさっきお家に帰したよ?』

「ッ……!?」


にわかには信じられない事を、事もなげに長髪男は口にした。


『愛お姉ちゃんを守ってあげるって、亜季ちゃんと約束のキスしたじゃない?お兄ちゃんは約束は必ず守るんだ。口先だけの軽い男じゃないんだから』


左の掌にツインテールの束ね髪を乗せ、愛しさに満ちた指先で男は何度も撫でてくる。
女の子の命でもある髪に気安く触る無神経さに、亜季は恐怖を伴う苛立ちを覚えたが、やはりそれを態度には示せずに、ただただ震えていた。


『亜季ちゃん家の住所って、確か東京都○×区△◎町□丁目☆@%……真っ白い外壁で、とってもオシャレなお家だよね?』

「………?」


男は亜季の住所を間違える事なくスラスラと答えながら、手首から枷を外していった。

住所どころか外壁の色まで知っているという、そのストーカーっぷりに亜季は身震いを禁じ得なかったが、何故、枷を外して自由を許してくれたのかがどうしても分からず、上体を起こすまではしたが、そのままベッドの上にちょこんと座ったままでいた。


『亜季ちゃんお座り上手だねえ?可愛い亜季ちゃんの為にさ、大好きなカルボナーラとマンゴージュースを用意したんだ。今からお兄ちゃんが食べさせてあげるからね?』


男の直ぐ傍の床には、トレーに乗せられた二つの器が並んでいた。

カルボナーラは美味そうな湯気を立ててホワイトソースの香りを放っているし、マンゴージュースのコップには氷も入れられており、その冷え具合を示すようにキラキラと汗をかいていた。

因みに、その二つの好物は、写真集・1412の宣伝でラジオ番組にゲスト出演した時に話したものだ。
一般のリスナーなら気にも止めない情報を記憶し、今日という日に用意したとは呆れるばかりだが、その気遣いは亜季からすれば全く無用なものだ。


「うわ…わわわッ!」


亜季はベッドから飛び下りると、唯一の出口であるドアを目指して全力で駆けた。

あの男の言う事が本当ならば、もうこの建物の中には自分しか居ないことになる。
愛が自分を残したままで家に帰るとは考えられなかったが、それでもとてつもない孤独感が亜季の心に芽生え始めていた。

こんなカルボナーラなどどうでもいいし、マンゴージュースなど知った事ではない。

亜季は眼前に迫るドアのノブを思いきり捻ってくぐり抜け、更に現れたドアに突進していった。


(お姉ちゃん…パパ…ママ…!)


後ろを振り向きもせずドアノブを捻り、勢いそのままにドアを開ける……愛が、そしてパパとママが、そのドアの向こうにいるような“期待”が亜季の胸を強く打っていた……。



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